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ソードアート・オンラインーツインズー
SAO編−白百合の刃−
SAO31-スズナの涙
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という存在自体がわからないわね。それにどうして完成されているユイがいるのに、貴女がいるのかしら?」

 スズナはドウセツの疑問を答え始めた。

「元々、わたしは試験用であり、『メンタルヘルス・カウンセリングプログラム』は完成されたユイが行う予定だったんです。故にわたしを含めたボツ作品で『旧データ』は役目を終えたんです。ですが二年前、ソードアート正式サービスが始まった日、何が起きたかわかりませんが、凍結されていた一部の『旧データ』を完成されたソードアート・オンラインに混ぜ合わせたのです」
「混ぜ合わせた?」
「そうです、キリカ様。例えばキリカ様の『薙刀』と『絶対回避』、ドウセツ様の『居合い』と『赤い糸』のスキル、裏層とも呼ばれるフィールド、モンスター、アイテム……ここの地下ダンジョンの一部も、フェイタル・ガイダンスというボスモンスターも本来は使用されるはずもなかった『旧データ』なんです」
「え、そ、それじゃあ……今まで思っていた『ユニークスキル』は違うってこと?」

 私の言葉にスズナは頷く。それは私達が普段使っていて、自分だけの唯一無二のスキル。それが本来使われるはずもなかった『旧データ』の一部であり、『旧ユニークスキル』と呼ばれていたもの。それ自体は何も問題はなかった。どっちにしろ『ユニークスキル』には変わりなかったし、今更名前を変えたところで何かが変わることはない。驚いたといえば驚いたけど、困ることはなかった。

「なるほどね。通りで『赤い糸』や『絶対回避』がSAOらしくないスキルだと思っていたけど、ボツ用なら納得するわね」
「らしくないの?」
「魔法の要素を排したMORPGがコンセプトのSAO、その変わりにソードスキルというものが無数にあるのよ。『赤い糸』なんて、それに反する物だと思うものでしょ」

 ……言われてみれば……そうかもしれない。
 考えてみれば、兄やヒースクリフの『ユニークスキル』は『二刀流』や『神聖剣』は共通して、誰もが習得できるような『ソードスキル』の上位版のようなものだ。『薙刀』や『居合い』はともかく、『絶対回避』や『赤い糸』なんてソードスキルと呼べるようなものじゃないだろう。それに、能力としてもチートでボツになったのも頷ける。うん、納得した。
 
「『旧データ』のことはわかったわ。それで、貴女はなんの役目をしていたの?」

 ドウセツは再度スズナに訊ねる。

「わたしの役目はカウンセリングではなく、ユイの観察及びケアです」
「えっと……カウンセリングの状態を報告したり、暴走したりするのを抑える役目でいいの?」
「キリカ様がおっしゃっていることは当たらずとも、遠からず。カーディナルの指示で、ユイとわたしはカーディナルに予定のない命令を与えました。本来、ユイにはプレイヤーのもとへ赴((お
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