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異世界からチートな常識人が来るそうですよ(タイトル詐欺)
第八話 リリがナース服を着ているの少し動揺した。
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な、と唖然とした飛鳥だが、諦めたように溜息をついて、

「耀さんを拾って様子を見に行きましょう。戦えなくても観戦くらいならさせてもらえるでしょうし」

「十六夜が心配なのかね?」

「そんなのではないわ!」

からかいながら石になった水樹の石化を解除して飛び降りた。だが証でさえ、戦いが一方的な戦いになっているとは思っていなかったのだが。







―――ノーネーム"本拠大広間―――

レティシアの受難はむしろこれからだった。

レティシアがノーネーム"に帰って来られたのは本当によかったのだ。大広間まで持ち帰り、石化を解いた瞬間問題児四人は口をそろえて、


「「「「じゃあこれからよろしくメイドさん」」」」


「え?」

「…え?」

「………え?」

「え? じゃないわよ。だって今回のゲームで活躍したのって私達だけじゃない? 貴方達は本当にくっついてきただけだったもの」

「私なんて力いっぱい殴られたし。石になったし」

「それに石化解除したのって俺じゃん。挑戦権も片方持ってきたし」

「つーことで所有権は俺達で当分2;2;2;4でもう話は付いた!」

「何を言っちゃってんでございますかこの人達!?」

もはやツッコミが追い付かないなんてものではない。黒ウサギは完全に混乱していた。

「んっ………ふ、む。そうだな。今回の件で私は皆に恩義を感じている。だが親しき仲にも礼儀あり。同士の中にもそれを忘れてはならない。君たちが家政婦をしろというのなら、喜んでやろうじゃないか」

「レ、レティシア様!?」

黒ウサギの声が今までにないくらい焦っていた。尊敬していた先輩をメイドとして扱わなければならないとは………と困惑しているうちに、飛鳥と証が嬉々として服を用意し始めた。

「服は証君が用意してくたわ! 貴方、裁縫まで出来るのね。金髪の使用人に憧れてたのこれからよろしく、レティシア」

「布は"サウザントアイズ"製のものだから耐湿、対寒ともに抜群。着心地もいいぞ」

「よろしく………、いや主従なのだから、よろしくお願いしますかな?」

「使い勝手が良いのでいいわよ」

「そ、そうか。いやそうですか? んん、そうでございますか?」

「黒ウサギの真似はやめとけ」

ヤハハと笑う十六夜。意外と和やかな五人を見て、黒ウサギは力なく肩を落としたのだった。








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