暁 〜小説投稿サイト〜
茨の王冠を抱く偽りの王
20.約束
[2/3]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
がったように言う。

ヴォイドは人の思いでその力を変える。
祭がそうだったように。俺のヴォイドも.........






すでに空は夕暮れとなる船の甲板に出ると八尋、颯太、草間の3人がしんみりとした空気で誰も口を開かずただただもうすぐ皆を乗せ出発するヘリコプターを見ていた。

「どうしたんだよ、みんな。そんなしんみりした顔して」

3人はこちらをちらりと見て、すぐに下を向く。

「そろそろ作戦開始の時間だろ、カイ」

「もうそろそろ時間だな。集もそろそろくるだろ」

甲板にいる葬儀社メンバーが騒がしくなってきた。

「そろそろ時間だ。なぁ、このままでいるのか、颯太」

八尋がずっと海の方を見る颯太に問う。

「あっ!桜満君!」

草間の声に後ろを向くと集が現れる。
その後ろには綾瀬、ツグミ、アルゴ、倉地さん、四分儀さんが。

「これで全員かな」

集は次の瞬間、驚くべきことを口にする。

「これから君たちにヴォイドを返す」

集の発言にその場にいた皆が驚きを隠せない。

「シュウ君!?」

「待ちなさい、そんなことしたら君の力は」

「でも、返さないと借りたままの状態で僕が死んだらみんなも死んでしまいます」

八尋、颯太、草間が驚く。

「大丈夫、キャンサーとウイルスは僕が引き受けるから。綾瀬、君も来て」

「.......シュウ」

集の右腕にエメラルド色の線が浮かび上がり、ヴォイドを取り出す時のように徐々に光を放つ。

「おい、ふざけるな!!」

八尋が集のマフラーを掴み、怒鳴る。

「昨日は調子良く取り出しといて、今日は返す!!それでどうやって戦うんだ!!」

「この腕でも銃くらいは撃てるよ」

「バカな!!それでガイに勝てると思っているのですか、シュウ!?」

「僕はこの力をいのりやみんなを助けるために使うんです。ガイを倒すためじゃない。おかしいですか!?」

八尋はシュウのマフラーを離す。

「ヴォイドは持っててほしいわ」

綾瀬が声をあげる。

「どうせあんたが失敗すれば、私たちの命もないのよ」

「まぁ、そういうことよね」

「私たちはそれでいいけど。どう、颯太君?」

草間が颯太の方を見る。

「いいよ、それはお前にやったんだ。よくわかんねぇけど。それでいいんだよ!」

集が颯太に近づいて行き、颯太の手を握ろうとする。

「何だよっ!!やめろよ!!」

それを颯太は払う。

「違う返すんじゃない。.......握手をしよう、颯太」

颯太は驚いた顔をする。

「仲直りには握手だろ。颯太が言ったんじゃないか。僕らはこのまま別れちゃいけない.......そう思う
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ