Mission 3 交差する赤と青
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ト。
そこへ教科書に載っていた加速方法『瞬間加速』で近づく。
攻撃の強さは速さと重さで決まるらしい。
だが、今の俺の武装、リコイルロッドはビーム、重さなど無いに等しい。
なら、圧倒的なまでのスピードを与えるだけだ。
瞬間加速の加速、そしてリコイルロッドのフルチャージは素早く突き出し、伸びる攻撃だ。速さ×速さ、十分な速度だろう。
「うぉぉぉぉぉおおおぉぉぉ!!!!」
すでに地面に沈んでいるオルコットに向けて必殺の、最速の一撃を放つ。
傍から見ればそれはスラスターから上げられる青い炎、彼の機体の色、そして目が霞むほどの速度から、まるで『流星』のようだったという。
ズガンッ! と大きな衝撃音が響いた。
会場に居た者は皆ゼロの勝利だと思ったが、まだ決着はついていない。
だが、そんなことゼロも重々承知だ。
オルコットがさらにもうひとつ奥の手を隠している事など容易に推測できた。
「まだ、終わりませんわ!!」
彼女の『スカート』から二基のミサイルが飛び出す。
だが、そんな実弾兵装はゼロには通用しない。
何時の間にやら切り替えたゼットセイバーでミサイルを切り裂く。
この世界に来る前、彼が英雄として何年も闘い続けていた際に習得した技能『弾丸斬り』
幾千もの相手を一人で相手にする英雄としては出来なければ死ぬかもしれない技能である。
「!? …ま、まだですわ!」
「もう止めておけ。これ以上やるなら、お前の無事は保障できない」
「情けを掛けるというのですか!?」
「女はなるべく傷つけたくない。お前はその、美しいという部類に入るだろう?もしお前に傷を付けてしまったら俺は責任を取れない」
「なっ! そんな事心配せずともわたくしは負けませんわ!」
「よしておけと言っているんだ! もうさっきの自立機動兵装を動かせるほどエネルギーは残っていないのだろう?それにこれ以上やってもお前は絶対に俺に勝てない、負けを認めろ」
オルコットの腕を掴み暴れようとするのを抑える。
先ほどの一撃の余波であの巨大な銃ももう撃てないだろう。
というよりこの距離で撃ったらオルコット自身が被弾する。
「くっ! ……降参しますわ」
≪セシリア・オルコットの降参を確認。勝者、ゼロ・アンリエット。繰り返す、セシリア・オルコットの降…………≫
「ほら、掴まれ」
「なんですの?」
「飛べるほどの元気は残っていないだろう? 連れて行ってやる」
「帰ることぐらい一人で出来ますわ!」
オルコットはスラスターを起動するが途中で音が止んでしまう。
エネルギーが完全に尽きたのか、彼女のISも自動で解除され青いイヤーカフスに戻る。
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