第百六十五話 クローン達
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「使える男だったがな」
「あまりにも行動に問題がありました」
「だが我等の理想に適していた」
こうアーチボルトを評するのだった。
「見事にな」
「だからよいのですか」
「そうだった。死んでしまってはそれを言っても詮無いことだがな」
「わかりました。それでは」
「うむ。そしてだ」
さらに言うヴィンデルだった。
「次の作戦はだ」
「どうされますか?」
「既にイーグレット達は全滅したな」
「はい」
今度はこのことをレモンに確認したヴィンデルだった。そしてレモンはその問いに対してすぐにその通りだと答えてみせたのであった。
「その通りです」
「だがもう一人いる」
こう言ってみせるのだった。
「あの者を使おう」
「といいますとやはり」
「そうだ、ヴォータン=ユミルさ」
彼だというのである。
「出撃させよ。よいな」
「わかりました、それでは」
「そしてだ」
ヴィンデルの言葉が続く。
「御前も行くがいい」
「私もですか」
「そうだ。そしてだ」
さらに言うのであった。
「ラミアとアクセルを処分するのだ」
「あの二人を」
二人の名前を聞いてはっとなったレモンだった。
「処分するのですか」
「不要になった機械はいらぬ」
だからだと返すヴィンデルであった。
「だからだ。よいな」
「は、はい」
戸惑いながらも応える。
「わかりました、それでは」
「私もまた」
「博士も」
「そろそろ決着をつけるべきだと考えている」
その言葉が強いものになっていた。
「ロンド=ベルとはな」
「左様ですか」
「次の戦いで駄目だったならば私が出よう」
そして今宣言した。
「私がだ。わかったな」
「はい、それでは」
「ロンド=ベルの力さえあればだ」
ヴィンデルは語る。
「我等の理想が実現できるのだ」
「全ての世界を移動でき」
「そして人類が正しく進化する世界がだ」
それが実現するというのである。
「永遠に戦いそれにより進化する世界だが」
「彼等の力があればこそ」
「戦うには力が必要だ」
ヴィンデルの言葉が続く。
「だからこそだ。わかるな」
「はい」
応えはした。しかし今のレモンの返答は何処か虚ろなものであった。しかしヴィンデルがそれに気付くことはなかった。彼はそのまま言うのであった。
「それでは」
「全軍を集める」
また言葉を出した。
「そしてだ。いいな」
「はい、ロンド=ベルを」
今そのことを言い合う二人だった。シャドウミラーとの戦いもいよいよ正念場を迎えようとしていた。
第百六十五話完
2009・11・11
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