第百六十一話 己の信じるものの為に
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れど」
「どうしてもですね」
「気のせいだったけれどね」
自分から意識するのだった。
「ちょっとね」
「足はタイツやズボンで隠せますよね」
「ええ」
ゼオラのその言葉に頷くファだった。
「けれど。胸がそこまで大きいと」
「困ってます」
その大きな胸をどうしても意識せずにいられなかった。
「まだ十七なのに」
「この部隊ってとにかく胸が大きい人多いからね」
ファもそれはよくわかっていた。
「ほら、例えばアクアさん」
「あっ、凄いですよね」
アクアの胸もよく知られていた。
「もう訓練中なんか凄い勢いで」
「張りも凄いわよね」
「そうですよね」
二人の話は弾む。
「私も揺れるの気になります」
「痛くない結構」
「いえ、それないですけれど」
実に具体的な話になっていた。
「ブラでしっかり固定してますから」
「それでなのね」
「はい、パイロットスーツでも揺れますし」
彼女の悩みは尽きなかった。
「困ってます」
「あら、それがいいんじゃない」
セレーナはそれがいいというのだった。
「もうね。どんどん揺れるのがね」
「正直羨ましいわ」
「本当に」
アイビスとツグミは本音から言っていた。
「胸が揺れるなんて」
「私も。胸は全然ないから」
「そんなに困るのか」
それを聞いてクォヴレーは目をしばたかせていた。164
「胸がないと」
「何か凄い残念なのよ」
「クォヴレー君にはわからないかしら」
「わからない」
実にはっきりとした返答だった。
「それはな」
「っておい」
「率直過ぎるだろうが今のは」
皆そんな彼に慌てて突っ込みを入れた。
「幾ら何でもな」
「しかも相手を選べよ」
「全く」
しかしこうした言葉は彼の耳には届いていなかった。
「そういうものか」
やはりわかっていなかった。
「胸があるのとないのとでだ」
「そうだけれど」
「何か。今の話は」
二人は明らかにさらに気落ちしていた。
「胸大きくできる方法はあるけれどな」
「それを使うのもちょっと」
「胸は自然が一番です」
今言ったのはルリだった。
「大きくても小さくてもそれぞれのよさがあります」
「その通りね」
エマは彼女の言葉をよしとした。
「それが大きくても小さくてもそれぞれのよさがあるわ」
「そうだな。エマ大尉は」
今言ったのはヘンケンだった。
「全体のスタイルがな」
「いいんですね」
「そうさ。顔だけじゃない」
こんなことを言う彼に皆が突っ込みを入れた。
「けれど艦長」
「何でそんなこと御存知なんですか?」
「まさかと思いますけれど」
「そんなことは服の上からでもわかるものだ」
だが彼はこう返したのだった。
「充分にな」
「そうなんですか」
「それで」
「その通
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