第百五十九話 白騎士の心
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その作戦通り一直線に突っ切る。全軍でだ。
「隙だらけだ」
マイヨもまたその中にいた。
「突っ切るのは容易いか」
「いえ、大尉殿」
「敵の数は多いです」
「油断はできません」
カールとウェルナー、ダンはその彼のサポートに回っていた。三人で息を合わせてそのうえで周りのアインスト達を次々に撃破していく。
「確かに突っ切るべきですが」
「ここは焦らないで下さい」
「我々もいます」
「そうだったな」
三人の言葉を受けて今は落ち着くマイヨだった。
「私らしくもない。冷静さを欠いていたか」
「それも当然だぜ」
「そうだよ」
だがその彼にガルとミンが言ってきた。彼等はいつも通りかなり派手に暴れている。
「何しろ囚われのヒロインを救い出すんだからな」
「熱くならない方がおかしいよ」
「お、おでも」
ゴルは前にいる敵を押し潰していた。まさにそうした感じであった。
「何か燃えてきた」
「そうよ!ここで燃えないと男ではないぞ!」
「何か口の中がアドレナリンで一杯だよ」
グン=ジェムとジンもそれは同じだった。彼等も周りのアインスト達を薙ぎ倒している。剣が横薙ぎにされそれでまとめて破壊していた。
「さあ、道を開けていくぞ!」
「この調子でな」
「蛸殴りだぜ!」
カチーナがとりわけ燃えていた。
「どいつもこいつもよ!」
「あの大尉」
その彼女にラッセルが声をかける。
「それはいいですけれど」
「何だってんだよ」
「あまり前に出たら」
「あの」
ラーダも言ってきた。
「こちらにも射程がありますから」
「ちっ、援護射撃も必要だってことかよ」
「そうですよ」
ラッセルは困った顔で述べたのだった。
「さもないとこっちが囲まれてやられちゃいますよ」
「わかったさ。しようがねえな」
「そうして下さい。ただ」
「ただ。何だ?」
「思ったより派手に動いて来ないですね」
敵の動きを見ての言葉だった。
「どうしてですかね」
「そうね」
それにラーダも気付いたのだった。
「何か楯みたいに立ちはだかるだけで」
「横からはどんどん来るんだがな」
カイはその横からの敵の相手をしていた。
「次から次にな」
「しかし前からは来ない」
ギリアムも言う。
「どういうつもりだ、一体」
「まさかだ」
レーツェルの言葉である。
「あえてキョウスケを来させるつもりか」
「エクセレンの下にか」
「まさかとは思うがな」
こうギリアムにも返すのだった。
「そのうえでだ」
「また仕掛けるというのか」
「有り得ないことではない」
レーツェルは言うのだった。
「それもまたな」
「ではどうする?」
カイの目が鋭くなった。
「ここは」
「様子を見るのも危険だな」
レーツェルはそうも思うのだった。
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