第百五十七話 囚われた騎士
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第百五十七話 囚われた騎士
ストーンサークルに向かう中で。エクセレンは闇の中で何かと話をしていた。
「エクセレン・・・・・・」
「貴女は?」
「私は貴女」
こう彼女に言ってきたのである。
「貴女ですの」
「私?」
「はいですの」
さらに話してきた。
「ここは私達の宇宙と貴女達の宇宙の狭間」
「この何も無い場所がそうなの」
「そうですの」
また答えてきたのだった。
「扉の向こう側ですの」
「扉の」
「そして」
声はさらに彼女に語ってくる。不思議と彼女のそれと同じ声で。
「貴女は変わっていきますの」
「私が?」
「はいですの」
言葉の返しが続く。
「より純粋な存在へ」
「純粋な」
「器と共に純粋なる存在へ」
ここで言葉は終わった。そしてエクセレンは現実の世界に戻るのだった。
「あれっ、何か」
「どうしたのエクセレン」
「何か変な夢見てたけれど」
こうエマに返すのだった。
「何だったのかしらん」
「夢って時々そうよね」
エマはエクセレンに対して微笑んで述べてきた。
「わからない時あるわよね」
「何でかね。覚えていない夢とか」
「誰だってそうよ。そうした夢だったのね」
「ええ、そうなのよ」
まさにそれだというのである。
「おかしな夢だったわ。本当に」
「わからない夢はそのままであることが多いわよね」
フォウも彼女に言ってきたのだった。
「そのままね」
「そうね。じゃあ今はそのままでいいのね」
「夢はわかるべき時にわかるものですよね」
ファもこの場にいた。
「だからその時にわからなくても」
「そういうことよ。はい」
エマはファに答えながらエクセレンに対して一杯のコーヒーを差し出したのだった。
「飲んで。目が覚めるわよ」
「有り難う」
礼を述べてからそのコーヒーを受け取るエクセレンだった。そしてそのうえで飲むのだった。
そして言う言葉は。
「美味しいわね」
「そう言ってもらえると嬉しいわ」
エクセレンの今の言葉を受けて微笑むエマだった。
「淹れがいがあるわ」
「これ大尉が淹れたの」
「そうよ。私がね」
そうだというのである。
「美味しいって言ってもらえて何よりよ」
「これに濃くって」
エクセレンはさらに飲みながら言う。
「一発で目が覚めたわ」
「起きる時はやっぱりコーヒーよ」
エマはあらためて言うのだった。
「いつも朝にはこれを最初に飲むようにしてるのよ」
「いいね、それは」
ライラもまた彼女の淹れたコーヒーを飲みながら微笑んで言った。
「朝のコーヒーが最高のコーヒーだからね」
「ライラ大尉もそれは同じなのね」
「これでもコーヒーには五月蝿いつもりだよ」
そうだと自分で言うライラだった。
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