第百五十四話 未来をこの手に
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ず遥さんの為に来たんですよ」
にこりと笑って彼女にも話すのだった。
「その次に僕達の為ですけれどね」
「まず私の為にって」
「彼は待っていたんです」
万丈の言葉は続く。
「自分の力が彼女達を超えて」
「アル=イー=クイスを」
「多分その存在に気付いて今は姿を現わさなかったんだと思いますよ」
そう予想するのであった。
「そして彼女達の力を超えて機を窺っていた」
「アル=イー=クイスが私達の前に姿を現わすその時を」
「そう、それが今だったんです」
こう話すのだった。
「そして今。現にこうして」
「私達の前に」
「遥さんを護る為に」
「そうだったの、綾人君」
ここで彼の心を知った遥だった。
「私の為に、今」
「その綾人君に君は勝てない」
万丈はあらためてヴァル=アに告げた。
「そう、何があってもね」
「おのれ、人が」
ヴァル=アは万丈のその言葉に呪詛を返すだけしかできなかった。
「そう言うのならば今ここで」
綾人を倒そうとする。しかしであった。
「ラアアアアアアアアアアアアーーーーーーーーーーッ!!」
綾人が歌った。その無限の力が神を撃つ。それで。
ヴァルディスキューズは動きを止めてしまった。その全身が瞬く間に崩れていく。
「くっ・・・・・・」
「神々の終末だね」
万丈は今言った。
「これでね。完全に終わりだね」
「おのれ・・・・・・」
炎に包まれる中でも呻くヴァル=アだった。
「人が。我を」
「この世界は護られた」
万丈は言うのだった。
「確かにね」
「言っておこう」
ここでヴァル=アが断末魔の中でロンド=ベルに告げてきた。
「私は死ぬ」
「確かにね」
「だがこれで終わりではない」
こう言うのであった。
「全ての世界は。すぐに・・・・・・」
これが最後の言葉になった。神は炎の中に消えた。こうしてアル=イー=クイスは完全に潰えたのであった。
「勝ったな」
「ああ」
「神を倒したのよ」
「世界は救われたんだね」
皆このことを確認し合った。
「この世界の危機は救われたんだ」
「これでもう」
「さて、後は」
ここで万丈がまた言った。
「どうやってここから帰るかだけれど」
「甘いぞ!」
「油断するでないわ!」
しかしここで、であった。シュバルツとマスターアジアが彼等の前に姿を現わしたのであった。
「アル=イー=クイスは確かに倒した」
「だがそれで終わりではないぞ」
「何っ、師匠」
ドモンがその言葉に驚いて師に問うた。
「それはどういうことですか?」
「見るのだドモンよ」
マスターアジアは弟子の言葉に応えた。
「今我等がいる場所をな」
「何っ、ここは」
「左様、ここは異空間よ」
見ればその通りだった。何時の間にか皆漆黒の世界にいた。
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