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スーパーロボット大戦パーフェクト 第三次篇
第百五十二話 捨てられた人形
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考えるんだ」
だがセルゲイはあくまで冷静だった。
「さもなければ死ぬのは御前になる」
「貴方の指図は受けない!」
それを意固地に拒むアンドレイだった。
「こんなもので!」
「よせ!」
前に出ようとする。しかしティエルンの動きは鈍い。リヴァイブもそれを見逃さなかった。
「いけ・・・・・・!」
照準を定めそのティエルンを撃ち抜こうとする。それは今のアンドレイでは避けきれるものではなかった。
「くっ、動かない!?」
エンジンにも異常が見られた。アンドレイの顔に危惧が走るその時だった。
セルゲイのティエルンが前に出た。それでアンドレイを庇った。しかしそれにより彼がビームの直撃を受けてしまったのであった。
「えっ、父さん」
「子を守るのは親の務めだ」
その撃たれたティエルンから言うセルゲイだった。
「こうすることもな」
「馬鹿な、そんなことをしたら」
「大丈夫だ」
しかしだった。彼は今口から血を出していた。彼自身もまたダメージを受けてしまったのだ。
「私はな」
「けれど父さん」
「今だ、撃て」
己のことは構わずこう息子に告げた。
「敵は戸惑っている」
「あっ・・・・・・」
「勝利の美酒を飲め」
また言うのであった。
「今こそな」
「わかったよ。それじゃあ」
アンドレイは急にパトリックに阻まれ呆然としているリヴァイヴに照準を定めた。そうして今度は彼が攻撃を仕掛け射抜いたのであった。
「ば、馬鹿な」
攻撃を受けたリヴァイヴは呆然としながら炎の中に包まれていた。
「こんなことが・・・・・・」
「これでいい」
セルゲイは我が子がイノベイターを倒したのを見て満足そうに頷いた。
「これでな」
「けれど父さん・・・・・・」
「悪いがこれで下がらせてもらう」
彼はこう言うだけだった。
「それではな」
「う、うん」
セルゲイのその言葉に頷くアンドレイだった。
「じゃあ」
「安心して下さい」
ルリがここで言ってきた。
「スミルノフ大佐のティエルンは確かにダメージを受けましたが」
「大丈夫なのかい?」
「そして大佐もです」
彼もだというのである。
「今すぐ戻られれば何の問題もありません」
「そうか。それはよかった」
「大佐、すぐに戻って下さい」
また言うルリだった。
「そして。見せてもらいました」
「そうか」
「貴方は立派な方です」
ルリは彼もまた認めたのであった。
「ですからどうか」
「父さん、まさか貴方は」
「また話そう」
今はそれ以上は言おうとしないセルゲイだった。
「またな」
「うん。じゃあ」
「だが今一つだけ言っておく」
セルゲイはこう言いながら前線から退こうとしていた。
「御前は私の息子だ」
「そうか。僕は父さんの」
「それだけは言っておく」

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