暁 〜小説投稿サイト〜
とある完全模写の物語
吸血鬼
真祖
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を与える側と受ける側としてこの手のことはしっかりしていないと後々困る事になる。

「何か欲しいものはある?」

 ローラからそう言われ、欲しい物を頭の中に浮かべようとするが、一向に浮かんでこない。

「…特にないな。そちらで勝手に用意しておいてくれ」

 先程この手の話はしっかりしなければならない、などと思った人間の言葉とは思えない。

「分かったわ。それじゃあこれに目を通しておいて。彼女の特徴が書かれているわ」

 そう言いながらローラから手渡された分厚い書類。

 こんなにも分厚いのか…と思いながらもぺらぺらと紙を捲ってゆく。

 まぁ内容としては対象の外見特徴。そして使う魔術の種類などと言った所だ。

「これは…」

 こんなものか…と思いながら紙を見ていたが、最後の一枚に書かれた文に目が届いた。

 同族殺し。

 最後の一枚にそんな事が書かれていた。

 同族殺し、と書かれている以上、恐らく彼女は自分と同じ吸血鬼を殺したのだろう。それが何故かまでは分からないが、少なくとも彼女自身吸血鬼は好んでいないのかもしれない。彼女が吸血鬼の理由も何かありそうだな…。

 此処が今回彼女を保護する助けになるかもしれない。

「ローラ。当時彼女が人間だった頃の情報を集められるか?」

「…中々難しいことを言ってくれるわね。出来る限りやっておくわ」

「感謝する」

 最初は単なる仕事として終わらせようと思っていたが…少し興味が沸いた。

 あの少年…いや上条当麻に魅せられてしまったからか?柄にもない感情が芽生え始めてきている気がする。

 …だが、この感情も悪くはない、な。
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