第一章 無印編
第二十一話 『外伝2 夜の一族とシホ、真実を語る時(前編)』
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私の目を見た途端、まるで気絶するようにガクリッ!と肩を落とした。
そして次第にブツブツと呟き始めたので。
「あなた達の目的は…?」
「…はい。月村の次女を誘拐…その後にある組織に引き渡す予定でした…」
「その組織と言うのは…?」
「…組織名は聞いておりません。俺は下っ端なので知っているのは上の連中くらいかと…」
「そう…それで他になにか情報は…? あるだけいいなさい」
それから色々男から搾り取った。
『夜の一族』という謎の種族を研究。及び月村邸にたいして脅迫。
アジトの位置。メンバーの数。武装。
…他にも主にすずかには聞かせたくない内容ばかりだった。
あらかた聞き終えた私は「もういいわ。だからもう眠りなさい…」という言葉に男は無言で頷きそのまま横に倒れて眠りについた。
「シホちゃんの魔術ってすごいわね。こういった催眠もできたのね」
「はい…まぁ以前はモノを作り出す以外はてんでダメでしたけど…」
「以前…?」
「…いえ、なんでもありません。それより少々気になる単語があったんですけど…聞いても構いませんか?」
そこで全員表情を少し暗くしたけど忍さんが代表をして話してくれた。
話によると月村の家系は『夜の一族』という突然変異の吸血種の一種だと言う。
「はぁ…吸血種、ですか」
「あまり驚かないのね…?」
「まぁ、私の世界には忍さんが教えてくれたモノより性質が悪いのがわんさかいますから。
こっちでは血を吸っても吸血鬼化しないそうですけど…、私の世界では一度吸われればそれでもう死は確実。
そしてそのまま死徒という種族の吸血鬼の操り人形にされて仲間を増やしていきますから」
「う…確かにそれはいただけないな」
「そうですね。この世界とは根本的に違いがあるようです」
「それに私の師匠もその死徒でしたから別にもう驚きはないです」
『は…?』
途端、三人とも固まってしまった。
いけないなぁ…少し話が飛びすぎたみたい。
それで私の世界の吸血鬼について色々説明を入れた。
だけど内容が長いのでここは割合する。
「真祖に死徒…それに最古参の死徒を総称して死徒二十七祖。
それでシホちゃんの師匠の人は元人間だったけど真祖の王…『朱い月のブリュンスタッド』というものと対決して勝ったものの、その時に噛まれてしまって死徒化してしまったと…」
「はい。それで魔術協会では生きた伝説とまで言われていますね」
「確かに頷けるわ。こっちの吸血鬼は人間の突然変異からなったもの。
だけど、そちらは星が作り出してそのまま増殖していったもの…本当にシビアな世界で聞いているだけで嫌になってくるわ」
「まったくですね。真実は小説より奇なり…と申しますが真実以上のものですから性質は確かに悪すぎます」
三人はそれぞれ意
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