25,That is say it's・・・
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惨な様とは合わない、美しく艶のある声。
視線を向けると、落とし穴が飲み込んだ先にはもう1つだけ通路があった。一直線に下り階段に到達している通路の真ん中で二人のプレイヤーが座り込んでこちらを見ていた。
二人の素顔を見ることは出来ない。
一人はポンチョをしっかりと被り、口元に邪悪な笑みを浮かべている。
もう一人は髑髏を模したマスクで顔を覆い、ポンチョの横でエストックを磨いていた。
戦場で淡々と武器を研ぐその様は、まるで地獄の底からやってきた死神のようだ。
よりディテールを凝らしていく中で、俺はあることに気がついた。この二人の上にあるはずの緑色のマークがなくなっている。
代わりにあるのは、犯罪者であることを示すオレンジのマーク。
「お前ら……誰だ?」
「まあ、ゆっくり見てけよ。特等席だぜ。ゴミクズの様に吹き飛ぶさまがよく見える」
「誰だって聞いてんだよ!!」
ポンチョの男が再びこちらを見た気がした。ヒヤリとした視線が俺とアルゴを下から上まで当てられる。
隣にいたアルゴが僅かに息を吸い込んだのがわかった。
「クロちゃん、ポンチョの方――目撃者だヨ。解放隊が罠にかかった時に助けた奴ダ」
「オイオイ情報屋、それは飛んだmistakeだぜ。正しくは、嵌めて、見物して、助けて、そしてまた嵌めた奴だ」
「――下層から罠を持ち込んだのはお前か」
「傑作だったぜェ、あいつらにチョット助けたら俺の言うことをすべて信じて、こんなトコロまで来てくれたんだぜ」
言い終わるやいなや、男が爆笑した。肩を震わせ、腹を抱え、その場を転がりまわる。
犯人がここにいるならこの眼の前の現象も説明できる。
こいつらは解放隊と俺達ソロプレイヤーの対立を煽り、アルゴからの情報をまず寸断させた。
その上で、言葉巧みに解放隊をここまで誘導し、ボス戦のMAPに飛び込んだところを待って再び罠を発動させる。
解放隊の退路を絶ち・救援に来たプレイヤー達を阻むために。
「何で……何でダヨ!!」
「何でか……ナ・ン・デ・ダ・ロ・ウ・ナ?楽しいからに決まってんだロ!!」
この男はまるで楽しい一幕のようにアルゴの口調を真似て言い切った。怒りすら素直にぶつけられないアルゴはなおも声を張り上げる。
「人を、人を殺してるんだゾ。狂ってるヨ」
「狂ってるのはお前らだ。マジになるなよ?game is game。楽しまなくちゃ損だろ?ここで死んだら現実でも死ぬ?んなの誰が分かんだよ!」
「本当に死ぬ……死ぬんだ」
「だから、それを、どう、証明する?」
「それは……」
髑髏の方の問いに実際に見たから、と答えることは出来ない。
俺が見たことを説明するには時間が惜しいし、それだって証明する手段はない。
それに、これは
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