決戦
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「そして……」
今度は疑問、そして不快さが入り混じった表情を浮かべる。
「あの力だ。システム的にも認められていないあの謎の力……あの力どのようにしてそれを手に入れた?」
茅場晶彦はそう問うがゲツガは何も答えない。そして茅場晶彦は肩をすくめると今度はキリトのほうを向いて言った。
「キリト君、君も最終的に私の前に立つだろうと思っていたよ。全十種存在するユニークスキルの内《二刀流》スキルは全てのプレイヤーのなかで最大の反応速度を持つものに与えられる。ゲツガ君もそうだったが剣の種類が違ったためかそうではなかった。そしてそのスキルを持つ者は魔王に対する勇者の役割をになうはずだった。勝つにせよ負けるにせよ。だが君は私の予想をはるかに超える力を見せた。攻撃速度といい、その洞察力といい、な。まあ……その想定外の展開もMMORPGの醍醐味というべきかな……」
その時、今まで凍り付いていたプレイヤーの一人がゆっくりとした動作で立ち上がる。その男は血盟騎士団の幹部を務めていた男だったと思う。
「貴様……貴様が……。俺達の忠誠……希望を……よくも……よくも……」
男は巨大な斧槍を握り締め、
「よくもーーー!!!」
絶叫しながら地を蹴って茅場晶彦へと突撃し始める。止める間もなかった。大きく振りかぶった斧槍は茅場晶彦へと振り下ろされる。だが、茅場晶彦の動きのほうが早かった。茅場は素早くウィンドウを開いて素早く操作する。そのあと、斧槍を振りかぶった男の身体が空中で止まり、力なく落ちた。その男のHPバーは緑色に枠に点滅していた。。この状態は麻痺毒だ。茅場晶彦はまだ手を動かし続けていた。
「あっ、ゲツガ……君……」
不意にユキが力が入らないと言った具合に全体重が右手に掛かる。しかし、ゲツがにとっては何の障害にもならない。ユキを見ると、HPバーが緑色に点滅している。アスナもクラインもエギルも、このエリアにいる茅場晶彦、ゲツガ、キリト以外のプレイヤーは全て麻痺になっていた。
「テメエ……ここの全員殺す気か……」
ゲツガは怒りを込めた声で茅場晶彦に言う。
「まさか。そんな、理不尽な真似はしないさ」
茅場晶彦は微笑を浮かべたまま首を左右に振る。
「こうなってしまっては致し方ない。予定を早めて、私は最上層の紅玉宮に君達の訪れを待つとするよ。九十層以上のモンスター群に対抗しえる力として育ててきた血盟騎士団、そして攻略組のプレイヤー諸君を途中で放り出すのは不本意だが、何、君達の力ならきっと辿り着けるはずさ。だが……その前に……」
茅場晶彦はゲツガとキリトを交互に見た。
「キリト君、ゲツガ君、君達には正体を看破した報償を与えなくてはな。チャンスを与えよう。今、この場で一対一で戦うチ
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