第三章
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いの?」
「自然にね」
またこの言葉が出た、聡美の口から。
「そうなればなあって」
「ならないわよ。けれどね」
「けれど?」
「まああんたはそれでいいわね」
彼女にやれやれといった口調で言った。今も部活で休憩の時に話をしている、やっぱり紅茶を手にして。
「あんたらしくね」
「私力入れるとか熱血とかって」
「柄じゃないわよね」
「何か違うから」
「そうよね、昔からね」
「なるようになればなって」
自然、成り行きだというのだ。
「そう考えてるから」
「実際になったわね」
「凄く嬉しいの、だから」
「じゃあね」
私はやれやれといった口調だったけれどそれでも笑顔で言った。
「これから楽しくやりなさいね」
「うん、このままね」
「二人でいるだけでいいのね」
「それだけで嬉しいから」
「若しかしてそう考えてるから」
ここで私はふと気付いたことがあった、それは何かというと。
「かえっていいのかもね」
「自然体ってこと?」
「うん、それがいいのかもね」
「そうなの」
「かえってね。今だってね」
こうして二人でのどかに紅茶を飲んで話をしている、この時もだった。
「こうしてるだけで落ち着いてくるし」
「力入れるの好きじゃないから」
「それもありね、何にでもね」
こういった娘だから好きでいつも一緒にいる、私はこのことに気付いた。
それでお茶を飲んでまた言った。
「私も力抜いていこうかしら」
「そうするとかえってね」
「ええ、いいみたいね」
聡美と一緒にいて見てきてやっとわかってきた、このことが。それはとてもふわふわした気持ちのいいものだということを。
ふわふわ時間 完
2013・3・3
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