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少女1人>リリカルマジカル
第二十一話 少年期C
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 時計の秒針が、刻々と時を刻む音が妙に聞こえてくる気がする。ふと気づくと時計を見て、まだそれほど時間が過ぎていないことに気づいて視線を戻す、の繰り返し。緊張しているのかな、と今の自分の状態に思い当り、失笑してしまう。

 こういう時、俺はいつも自分の普段の姿を思い出すようにしている。いつも通りに笑って、いつも通りに話して、いつも通りになんとかなると考える。そんな風に思考を巡らせることで、落ち着くことができていたからだ。

 変な性格だと俺も時々感じる。普段の俺は決して演じたものではないのに、時たまこうして自ら演じようとする。いつからそのように感じるようになったのかは覚えていない。だけど、客観的に俺を見る視点がいつのまにかできていたのは確かだ。


「ねぇ、お兄ちゃん。ここの魔法の対応表がよくわかんないよー」
「ん? なんだ、アリシア?」
「しゅくだぁーい」

  俺のもとにトテトテとテキスト片手にやってきたアリシア。先ほどのこぼれしまった笑みを消し、いつもの笑顔を浮かべて俺は妹と向き合った。妹と目が合うと一瞬瞳が揺れたような気がしたが、改めてみても特に変化はない。気のせいだろうか?

 アリシアが持っているのは、母さんとお姉さんが用意してくれた魔法のテキストだ。俺用なのだが、妹も気になったのか同じものをもらっていた。ただ時間を待つよりも、妹と話をしている方が楽しいだろう。俺は妹の宿題の手伝いにOKを出し、手招きをした。

 それにしても、このぐらいの年齢の子どもってなんでも真似したくなるみたいだな。理数で泣いている俺用とはいえ、さすがに6歳の子どもには難しい内容ではある。よく妹から質問があるので、俺自身も勉強になる。人に教えると逆に深まるし。

「えーとこれは確か、魔法陣の詠唱コードの部分か。おーい、コーラル。法陣制御ってこっちのコードとつなげればできたよな?」
『えぇ、正解ですよ。術者の魔力収集力を高めるには、そこで一括に変換する必要がありますから』
「それじゃあ、この部分の表を見ながら解いてみたらいいよ。こことここに繋がりがあるから、関係性……えっと魔法陣を展開させるときの順番が見えてくるから」

 頑張って説明してみたが、妹はまだ難しい顔をしている。明らかにこれ6歳児がやる勉強じゃないよ、正直。専門分野の領域だ。母さんが言うにはこれでもだいぶ簡略化されたものだそうだけど。

 ミッドチルダ式の魔法は今では一般的に普及された魔法だが、他の魔法体系に比べるとまだまだ歴史は浅い。しかし利便性はかなりあり、現在進行形で魔法の開発も進んでいる。

 安全性を考慮した魔法(非殺傷設定など)も開発され、それに伴い構築式もどんどん増えている。今はいかに魔法を簡単に発動させられるかが課題としてあり、将来的には今よ
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