第二十一話 少年期C
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くてもちゃんとわかっている、みたいに親指立てるの!! あと盗撮するな、デバイスッ!!」
この話し合いが終わった後、ひっそりとおじいちゃんにダビングを渡しておいたのは余談である。さらにこれがきっかけで、おじいちゃんが孫ビデオ収集に嵌りだしたのも蛇足である。
「俺、今ならお前をしめても問題ない気がする」
「そうなったら、目薬さして服乱れさせて本部に転移して、『助けて! ゲイズさんがぼ、僕をッ!!』と涙ながら叫びまくってやる」
「おまっ! それは悪質すぎるだろッ!!」
******
「話し合いは一応これで終わりなんですよね?」
「あぁ。わざわざすまんかったなぁ」
「いえ、そのできれば俺から総司令官達に要望があるんですけどいいでしょうか」
「坊主がか? そんな堅苦しくならずとも、言えばいい。それだけのものももらっとるからのぉ」
おじいちゃんの独特な笑い声を聞きながら、俺は静かに息を吐く。大丈夫、さっきまでのようにリラックスしたらいい。言っちゃなんだけど、副官さんのおかげでいいガス抜きもできた。
ここまでくれば、母さん達は助かるだろう。総司令官達の手によって、ヒュードラの事件は原作とは違う形で終えられるはずだ。そうなれば、もう俺たち家族を壊すものはなくなる。母さんもアリシアもリニスも幸せに生きていく道が出来上がるんだ。
ずっと待ち望んでいた未来。いつものような日々を、当たり前のようにこれからもいられる日々を俺は願い続けた。そして、それがもうすぐ叶う。だけどこの願いが叶い続けるということは、同時に最悪の未来を進む少女達もいることになる。
さぁ、ここからだ。俺は俺の未来のために頑張ってきて、これからもそれは続いていくけど。それにもう1つ頑張りを増やそう。幸せな俺の望む未来をもう1つ作るために。
「それでは、どうして俺がそのことについて触れるのかには、一切問わないでほしいんです」
「……どういう意味だ」
「俺への報酬です。この提案を受け入れてくれるかはおじいちゃん達に任せます。だけど、受け入れても受け入れなくても、なぜそのことについて俺が問うのかには一切触れないでほしい。それだけです」
俺からの言葉に2人も隣にいたコーラルも無言になる。警戒されるのはわかっていたけど、これが前提条件だ。聞けば絶対に何故かと問われるとわかっている。だけど、俺は理由を話すことができない。話したくないんだ。
「……聞こう」
「総司令官」
「聞くだけならいいみたいだからなぁ。それを受け入れるかは儂ら次第。ただ内容については触れるな、というだけだ。そうだろ?」
総司令官の声は、先ほどまでと声のトーンは変わっていないはずなのに、俺はうなずく動作1つにも緊張が走った。副官さんは総司令官の
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