第二十一話 少年期C
[7/9]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
要はかわいがっているのだ。そんな様子を見ていたら、俺が祖父と孫の関係を思い浮かべても無理からぬことだろう。そのため命名に関しては、俺は一切後悔していません。
「とりあえず時期や開発状況は間違いないみたいだな」
『そうですね。こちらの映像は去年の秋に撮ったもので間違いありませんし、分布の整合性もとれました。参考にですけど、ファイル13と17は入れ替えた方がより明確に……』
「……今回の件ってコーラルがいれば、俺いらなかったんじゃね?」
「本当だな」
副官さん、もうちょっと言い方ない? 確かに映像記録を撮ったのもまとめたのもコーラルだから、俺の出番がほとんど必要なかったのは事実だけどさ。
「暇ですねー」
「だまって菓子でも食っとけ」
「いや、この菓子折り持って来たの俺ですから」
菓子折り用のクッキーを2人でつまみながらおじいちゃん達を待つことになった。一応俺はお客さんなので、総司令官が副官さんに接待をお願いしてくれたのだ。でもこの人、さっきから菓子食ってるだけなんですけど。……太れ。
「そうだ、副官さん。時間つぶしにちょっと聞きたいことがあるんですけどいいですか?」
「つまらないこと以外ならな」
「太ももが太い女性は許容範囲ですか」
そんな噴き出さなくても。
「何聞いてくるんだ!?」
「そのことに真剣に悩む女性がいるんですよ。せっかく年頃の男性が目の前にいますから、聞いておくチャンスかと思いまして」
「もっと他に話題はなかったのか…」
まずぱっと思い浮かんだのがこれなんだから仕方がない。同僚さんのために今の年頃の男性の好みが知りたいんです、と伝えてみる。
ちなみにお願いの時のポイントは、なんらかのグループの1つの意見が欲しいみたいに言うと答えてもらいやすい。アンケートみたいな感じで尋ねるとなお良し。
「先に言っておくが、あくまで俺ぐらいの年齢の意見だぞ。俺は、というより参考としての言葉だからな」
「はい、もちろんです」
「……まぁ、それほど気にしなくていいんじゃないか」
「太いのも細いのもいけるって意味ですか?」
「そう言ってるだろ」
そっぽを向きながらぶっきらぼうに答える副官さん。横顔だが、赤みが少し見える。この人って、口調はきついところはあるけど、根は素直で真面目な人なんだよね。質問にもなんだかんだでちゃんと考えて答えてくれるし。だからこそ―――
「なるほど。副官さんはどんな足も許容範囲のばっちこーいな人である……と」
「おい、待て! 何勝手に脚色したものをメモしてやがる!?」
「そうか、そうか。太いのも細いのもいけたとはのぉ」
『いい映像が撮れましたねー』
「いつから話を聞いていたんですかッ!? やめてください! その言わな
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ