第二十一話 少年期C
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りも魔法の種類も多くなりながら、簡略化されるだろうといわれているらしい。
『ますたーも成長しましたねー。前なんて頭痛起こして転がるのがデフォだったのに』
「デフォ言うな。まぁここら辺は対応表を覚えたらある程度はできるしな」
俺も筆記用具を手に持ち、アリシアと一緒に問題を見ていく。妹が詰まったら声をかけ、ヒントを言っていく流れを繰り返していた。
そういえば、うろ覚えだけどアリシアって確かあんまり魔法が使えないんじゃなかったっけ? フェイトさんはアリシアと違い、母さんの資質を受け継いだって話を聞いたことがある。今思い出した内容に、俺は眉を寄せた。
「……なぁ、コーラル。前に魔力光見たとき、アリシアの生体情報を取り込んだよな?」
『えぇ。そうですが』
「じゃあ、アリシアはその……魔法って使えそうなのか。魔力はあるみたいだし」
自然と声が小さくなりながら、妹がテキストとにらめっこしている様子を見つめる。一生懸命に勉強する妹の姿。お姉さんに魔法を見せてもらった時や自分の魔力光を初めて見たときの喜びようを俺は知っている。
『……マイスターも気にしていましたね』
「え?」
『魔法は使えます。ただアリシア様の魔力量はEクラス。それにますたーやマイスターのような「電気」への変換資質はなく、なによりも魔力変換効率が高くありません。言い方は酷いかもしれませんが、僕は魔導師として生きることをおすすめできません』
音量は小さいながらも、コーラルのきっぱりとした口調に俺は驚く。薄々感じていたが、母さんもコーラルもアリシアが魔法に触れることを止めたことはなかったが、逆に進めたこともなかった。
俺はこれ以上の会話は妹に怪しまれるかもしれないし、内容もアリシアにとっていいことか判断できなかったため、念話に切り替える。コーラルも察したのか、すぐに念話を繋げてくれた。
『……母さんもアリシアの魔力のことは知っているのか?』
『知っていますよ、ずっと前から。魔導師以外にも道ならいくらでもあります。だから、マイスターはアリシア様に一切の魔法関係に触れさせないこともできました。半端な力を持っている方が、かえって危険を招くこともありますから』
だけど、アリシアはこうして俺と勉強している。アリシアが魔法を使えるように頑張っても、魔導師としての大成は難しいのに。それなのに母さんは、当たり前のように妹にも魔法に触れさせている。
『それは、ますたーがいることも大きいですね』
『どういうことだ?』
『ますたーはマイスターの資質を色濃く受け継いでいますし、魔導師になるための勉強もしています。それを身近で見ているアリシア様が、魔法に強く関心を持ってしまうことは予想できるでしょう?』
『あっ…』
確かにコーラルの
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