第百四十九話 アニュー=リターン
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ったな」
「怖かったですよ」
ロックオンの後ろにすぐに隠れての言葉だった。
「本当に」
「わかる。しかしだ」
ロックオンは半分は彼女に、もう半分は彼女に告げた。
「御前は最初から殺す気はなかったな」
「私に言っているのね」
「ああ、そうだ」
アニューに対する言葉だった。その半分は。
「御前は最初からミレイナを殺すつもりはなかった。そうだな」
「道具だからね」
こう返すアニューだった。
「道具を壊す予定はなかったから」
「違うな。ミレイナを知っていたからだ」
こう返すのだった。
「だから御前はミレイナを殺さなかった。いや、殺せなかった」
「殺せなかった、私を」
「そうだ。違うか」
あらためてアニューに告げた。
「違うというのなら否定してみるんだな」
「否定はしないわ」
アニューはあえて感情を消して言葉を返した。
「それじゃあ」
「行くんだな」
「そうよ」
わざと素っ気無く返した今の言葉だった。
「イノベイター達のところに帰るわ」
「御前の仲間達のところにか」
「・・・・・・ええ」
一応頷きはしてみせた。
「そうよ」
「それが御前の仲間ならいいんだがな」
ロックオンはここでこう言った。
「御前の仲間は」
「仲間じゃないわ」
ロックオンのそれからの言葉はこれで打ち消した。
「貴方は。何でもないわ」
「そうかよ。じゃあ行くんだな」
最後にこう告げて別れる。アニューはそのままプトレマイオスの格納庫に向かう。そしてモビルスーツの一機を奪取してそのままプトレマイオスを出るのだった。
「けれど」
プトレマイオスを離れながらも振り向いて。言うのであった。
「・・・・・・好きだから」
こう言って離れている。その彼女の前に四機のガンダムがいた。
「よし、来たな」
「少し遅れていたね」
「少しね」
ヨハン達がそこで話していた。
「少しじゃないわよ。随分遅かったじゃない」
「まあ落ち着けよ」
不平を言うネーナを宥めるミハエルだった。
「これがここでの僕達の仕事なんだからな」
「仕事ね。こんな仕事やりたくないわよ」
忌々しげに言うのだった。
「ただの迎えなんて」
「そう言うな。僕達の雇い主だ」
今度はヨハンが彼女に言った。
「雇い主の命令には従わなくてはならない」
「そういうことだな」
共にいたアリーもここで話に入って来た。
「俺達はクライアントに従わないとな」
「あたしはあたしよ」
だがネーナはこう返すのだった。
「あたしはね。好きなように戦いたいのよ」
「好きなようにか」
アリーは彼女の言葉を聞いてシニカルな笑みを浮かべた。
「俺もそういうのは嫌いじゃないけれどな」
「嫌いじゃないが、だな」
「そうさ。従う命令には従うさ」
こうヨハンに返すのだっ
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