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スーパーロボット大戦パーフェクト 第三次篇
第百四十八話 刹那の記憶
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「よせ、リボンズ」
「今は駄目よ」
しかし周りの仲間達が激昂を見せようとした彼を止めた。
「数がない」
「そんな中で戦っても」
「敗れるだけだというのか」
「あれもまた最終調整中だ」
「だからとても」
「・・・・・・わかったよ」
忌々しいがこう言うしかない状況だった。彼にとっては。
「では今は退こう」
「メメントメリとあれがある」
「あの連中を裁くのはその時でいいわ」
「刹那、その時にだよ」
リボンズは怒りに満ちた目で刹那を見ながら述べた。
「その時にこそ神の力を見せてあげるよ」
「好きにすればいい」
刹那はその彼に対して冷たく返すだけであった。
「俺はその貴様を倒すだけだ」
「その言葉忘れないことだね」
捨て台詞を残して姿を消す彼であった。他のイノベイター達もまた。彼等が姿を消すと後には何も残ってはいなかった。ロンド=ベルはまずは金星にあるイノベイターの基地に入った。
基地の中は完全な無人だった。だが巨大でしかも設備は整っていた。物資はボゾンジャンプで共に持って来たものを入れとりあえずの基地としたのであった。
「さてt、足掛かりは手に入ったけれどな」
「問題はね」
「ああ、連中だ」
基地に入ってこう言い合う彼等だった。
「リボンズの奴、妙なことばかり言っていたな」
「あいつが神かそうかなんてどうでもいいけれど」
それには構わない彼等だった。
「問題は刹那とのことだな」
「刹那が子供の頃に会っていたなんて」
「まさか」
皆このことに対して思うのだった。それは確かに異様なことだった。しかもそれだけではない。刹那は表情こそ変えないが沈痛な様子で基地の一室にいた。
「まあな。あれだ」
「気にすることはないさ」
「あいつは君を惑わせることを目的としていた」
その彼にロックオンとアレルヤ、それにティエリアが話している。ベッドに座り込む彼の前に囲むようにして立ちそのうえで話していた。
「そういうことだ。だからな」
「忘れるんだ」
「過去に何があったとしても」
「俺の過去は」
だがここで刹那は言うのだった。
「何もなかった」
「何も?」
「なかった?」
「あるのは戦いだけだった」
それしかないのだというのだ。
「戦火と。それに追われ」
「ああ、当時の中東はな」
「そうだったね」
「いつも戦争とテロがあって」
「テロに巻き込まれそれに加わり」
幼い頃のことを思い出しながらの言葉だった。
「そうして過ごしていた。それが俺だった」
「そうか」
「そんな日々だったんだ」
「君は」
「しかし今の俺は違う」
ここで顔をあげた刹那だった。
「少なくとも今は違う」
「そうだ、その通りだ」
「今はね」
「明らかに違う」
三人は今の刹那の言葉に表情を明るくさせた。
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