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スーパーロボット大戦パーフェクト 第三次篇
第百四十六話 メメントモリ
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あの頃の笑顔の私に」
「だから一緒に行こう」
彼もまた笑顔で告げた。
「僕達でね」
「けれど」
こう言われてもだった。ルイスは答えることができなかった。
「私は。もう私は」
「戻れないっていうの?」
「もう。何もかもを」
失ったからだというのだ。しかし沙慈はさらに言うのだった。
「君が進めなくても」
「進めなくても」
「僕が手を引いていくよ」
そうしていくというのである。
「君が進みたいその方向にね。手を引いていくよ」
「私が進みたい方向に」
「だから戻ろう」
また告げる沙慈だった。
「僕達の世界にね」
「できれば」
「今は無理でも」
それはわかっていた。彼も。
「何時か戻ろう。いいね」
「・・・・・・・・・」
今は答えられないルイスだった。しかし沙慈の言葉は確かに届いたのだった。
アレルヤとソーマは二人で月の街の中を歩いていた。ソーマがその中で話すのだった。
「ねえアレルヤ」
「何?」
「あの時のことは覚えているわね」
「うん」
ソーマのその言葉に頷くアレルヤだった。
「僕達は兵器として開発された」
「そうだったね」
そのことははっきりと覚えているアレルヤだった。ソーマもまた。
「僕は逃れて」
「私は残ってしまって」
二人はそれぞれ話すのだった。
「そしてあの時の戦いを経て」
「僕は何とか生き残った」
「貴方は死んだって思っていたわ」
彼はそうなのだった。そう思っていたのである。
「けれど。貴方は」
「僕はあれからずっと身を隠していたんだ」
このことも話す彼だった。
「受けた傷を癒して時を待つ為にね」
「それが今というわけね」
「そうだったんだ。今だったんだ」
実際にこう答えるアレルヤだった。
「そして僕はここに戻って来て」
「私と再会した」
「君は。もう機械じゃないんだね」
「連邦も変わったわ」
ソーマの言葉がここで遠くを見たものになった。
「そう。いい方向にね」
「あの早乙女博士との戦い以降だったね」
「覚えているわ。あの戦い」
ソーマはその目でさらに語るのだった。
「あの時は。私達も」
「そうだったね」
アレルヤはまたソーマの言葉に頷いた。
「あの時はね。僕達も」
「もう少しで死ぬところだったわ」
そうだったのである。先の戦いにおいては。
「あの時貴方は私を守ってくれたわね」
「あの時。僕はもう一人の自分と戦っていたんだ」
その中でというのだ。
「そしてそれに何とか勝って」
「私の前に立ってくれて」
「咄嗟に出て来てそれで君を守れた」
「有り難う」
その時のことだったのだ。
「それで私は今貴方と一緒にいられるのね」
「君はあれから幸せだったみたいだね」
「ええ」
アレルヤの言葉にこくりと頷くソーマだった。
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