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スーパーロボット大戦パーフェクト 第三次篇
第百四十二話 絶望と復活  
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「逃げねえっていうんだな」
「絶対に。逃げない」
また言った。
「だから僕は絶対に」
「じゃあよ。来いよ」
言葉はまだ挑発するようなものだった。
「いいな、すぐにだ」
「うん、わかったよ」
斗牙も頷く。これで決まったのだった。だがその彼をシンルーは止めようとするのだった。
「行ったら駄目よ」
「シンルー」
「貴方は戦うのには向いていないよ」
だからだというのだ。
「その貴方がまた戦うなんて」
「いや、もうわかったんだ」
今度の斗牙の返答は迷いのないものだった。
「僕はもう。わかったんだ」
「わかったって」
「戦うよ」
はっきりと言い切ったのだった。
「絶対にね。何があってもね」
「そうなの。戦うの」
シンルーはそれを聞いて少し悲しげになった。だがやがて顔を上げて応えるのだった。
「それなら」
「それなら?」
「死なないことね」
こう言うのだった。
「貴方は死なない。死んではいけないから」
「僕は死んではいけないって」
「これ以上は言わないわ」
シンルーはここで自分の言葉を止めてしまった。
「いえ」
「いえ?」
「これ以上言わせないで」
少し俯いての言葉だった。
「私にこれ以上は」
「どういうこと?それって」
「わからないならいいわ」
やはり言おうとはしないシンルーだった。
「それで。けれどね」
「僕は死んではいけない」
「そうよ」
それでもこのことは告げられた。
「絶対に。わかったわね」
「うん」
シンルーの今の言葉には頷くことができた。
「わかったよ。それじゃあ」
「行くぜ」
エイジがここで声をかけてきた。
「戻るぜ。いいな」
「うん、それじゃあ」
「そうね。戻るしかないわ」
シンルーはそんな斗牙を見て言うのだった。
「貴方は。やっぱりそれが運命なのね」
「戦うことが僕の運命」
「そうだったのよ。じゃあ行って」
シンルーも彼に行くように告げた。
「私も後から行くから」
「うん。それじゃあ」
こうして二人が先に行った。シンルーは今は彼の背中を見るだけだった。かつてはとても小さかったのその背中を。見るだけだった。
「レーダーに反応です!」
「来ました!」
グラヴィゴラスの艦橋が慌しくなっていた。
「ゼラバイアです!」
「その数一万!」
「よし、丁度いいわ!」
クーキーがそれを聞いて叫んだ。
「ゼラバイア修理完了したわよ!」
「えっ、何時の間に!?」
ニナがそれを聞いて驚きの声をあげた。
「グラヴィオンの修理なんて」
「徹夜でやったんですよ」
クーキーは笑顔でこうニナに答えた。
「それで間に合わせました」
「そうなの。頑張ったわね」
「だって皆も頑張ってますから」
だからだというのである。
「私だって」

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