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スーパーロボット大戦パーフェクト 第三次篇
第百四十二話 絶望と復活  
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じ取っているようである。
「その時に備えておく、今からな」
「待っているわ」
アヤカは自分の真後ろにいる彼に目をやって微笑んでみせた。
「貴方を」
「待っていてくれ」
こうして彼は戦場に向かう決意を固めたのだった。
シンルーが斗牙を連れて来たのは。教会だった。彼をそこに連れて来たのだ。
「教会?」
「私達がいたあの教会じゃないけれど」
夕暮れになろうとする中で彼に告げるシンルーだった。
「そっくりでしょう?あの教会と」
「そういえば」
「貴方と私はずっと一緒だった」
幼いその頃のことだ。
「そして私が貴方を護っていたわね」
「そうだったね。ずっと」
「その私だから言うわ」
声が優しいものになっていた。
「貴方が戦いたくないというのなら」
「どうするっていうの?」
「いいわ。戦わなくて」
こう彼に告げるのだった。
「私が代わりに戦うから」
「シンルー・・・・・・」
「いいわ、もう」
シンルーの声はさらに優しいものになる。
「貴方が戦いたくないというのなら」
「・・・・・・・・・」
「行きましょう」
ここまで告げてまた場所を変えるというのだった。
「貴方が休める場所に」
「・・・・・・うん」
斗牙はそれに頷きそのままシンルーについて行こうとする。しかし教会を出たところで。彼を待っていたもう一人の者がいたのだった。
「エイジ・・・・・・」
「何処に行くつもりなんだ?」
エイジは腕を組んでそこに立っていた。そうしてそのうえで彼に問うのだった。
「戦いから逃げて何処に行くつもりなんだ?」
「僕はもう」
「逃げるのかよ」
斗牙を睨みつけての言葉だった。
「怖くなって逃げるのかよ。子供みたいによ」
「けれど僕は」
「リィルをそのままほったらかして逃げるのかよ」
エイジはさらに言う。
「そのままよ。この腰抜けがよ」
「リィル。僕は」
「手前は一人の女の子も守れないんだな」
何時になくきついエイジの言葉だった。
「そんな奴の為にエイナは死んだのかよ。エイナの死は何だったんだよ」
「・・・・・・・・・」
「逃げるんなら逃げたらいいさ」
一旦突き放してみせるのだった。
「手前みてえな奴はいらねえ。とっととどっかに行きな」
「いや、僕は」
ここで斗牙の言葉が変わった。
「僕は逃げることは」
「だったら来いよ」
半ば挑発するようにして斗牙に告げてみせたのだった。
「手前の来るべきその場所にな。さっさと来いよ」
「僕の来るべき場所に」
「わかってんだろ?それとも本当にリィルをほったらかしにするのかよ」
ここでまたリィルの名前を出してみせた。
「それだったらとっとも逃げて帰れ。この腰抜けがよ」
「いや、僕は逃げない」
斗牙はまた言った。
「逃げない。もう」

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