第百四十話 斗牙の判断
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もな」
「命を粗末にせず戦いましょう」
そのことを誓うのだった。そうして今は穏やかな時を過ごすのだった。
プールでの保養の次の日。ロンド=ベルはシドニーに向かった。そこでゼラバイアが出没したと聞いたからである。
「そういえばこっちの世界のオーストラリアって」
「そうよね」
あちらの世界のメンバーがここで話をした。
「来たのはじめてよね」
「そうよね」
「そう思うとここで戦うのも新鮮だな」
カガリが言った。
「はじめての場所で戦うのもな」
「そういえばカガリってさ」
フレイがふとそのカガリに尋ねた。
「あんたキスとかもしたことないわよね」
「ば、馬鹿」
それを言われると急に真っ赤な顔になるカガリだった。
「そんなことこんな場所で言うなっ」
「けれど事実でしょ?」
「事実だったらどうなんだ?」
居直る始末だった。
「大体そんなことは本当に好きになった相手とだな」
「つまり完全な処女ってわけですね、カガリさんって」
シホも彼女のことがわかってしまった。
「私もそうですけれど」
「まあシホは奥手だけれど」
フレイはそんなシホの言葉を聞いて言った。
「カガリの場合はね。本当に男の子みたいだから」
「それがどうかしたのか?」
「あんたそのままじゃ貰い手ないわよ」
フレイが言う言葉はかなり厳しいものだった。
「お嫁さんに貰い手が」
「そんな筈がないっ」
カガリはあくまでこう反論する。
「私の素晴らしさがわかる男がいる、絶対にだ」
「お婿さん募集中だから」
ユウナがここでその文字を実際に書いた看板を持って出て来た。
「オーブの国家元首になれるよ。誰か来てくれないかな」
「あの、ユウナさん」
フレイもユウナのこの行動には呆れてしまった。
「貴方、オーブの首相ですよね」
「他にも色々とやってるけれどね」
「宮内相でもあったんですよね」
「ついでに言えば秘書室長もやってるよ」
また仕事が増えていた。
「もう何でもね」
「そんな人がこんな募集の仕方するなんて」
「いやあ、本当に人がいないんだよ」
腕を組んでしみじみと言うユウナだった。
「だってこんなんだよ?とにかく婿の来てがなくてねえ」
「それでこんな募集をですか」
「インターネットでも募集しているけれどね」
実に涙ぐましい努力である。
「それでも。来てくれないんだよねえ」
「カガリだからですか」
「そうなんだよ。カガリだよ」
カガリだからこそ問題があるというのだ。
「誰も来てくれないんだよ、本当に」
「困ったことにですね」
「せめて男だったらね」
これまた無茶を言うユウナだった。
「女の子だからねえ。こんなのでも」
「おい、ちょっと待て」
いつも通り言われっぱなしなので抗議に出たカガリだった。
「そんな
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