第百四十話 斗牙の判断
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「神!?」
「それってどういうこと!?」
「自分達だけが高みにいると思い込んでいる」
ティエリアの言葉は実に忌々しげなものであった。
「だからなんだ。彼等は帝国に与したんだ」
「成程。それならあれだな」
宙はティエリアの忌々しげな言葉からあることを察した。
「あいつ等は帝国を利用するつもりだったんだな」
「そうだ」
ティエリアもまたその通りだと答える。
「そして帝国を乗っ取りやがては宇宙の神になるつもりだったんだ」
「へっ、よくある話だぜ」
宙はそこまで聞いて彼もまた忌々しげに言ってみせた。
「そんなことはよ。しょっちゅうだな」
「そうね」
彼のその言葉に頷いたのは美和だった。
「私達の世界でも」
「何か。デュミナスとは全然違うんだね」
「そうね。むしろ」
ラリアーはティスの言葉に応えて述べた。
「それとは正反対に」
「デュミナスは最後まで私達を大切にしてくれたけれど」
「彼等にはそれがない」
ラリアーもまたその『彼等』を見抜いていた。
「むしろデュミナスが彼等と同じだったら」
「私達はやっぱり」
「そう、駒にされていた」
今度はデスピニスに答えるラリアーだった。
「完全にね」
「そう。やっぱり」
「デュミナスは自分が何なのかわからなかった」
ラリアーはさらにデュミナスのことを思い出していく。
「人間だと。最後までわからなかった」
「しかし奴等は違う」
今度言ったのはフォルカだった。
「人でありながら神であると勝手に思い込んでいるだけだ」
「下らん奴等だな」
それを聞いて言い捨てたのはアルティスだった。
「その程度か」
「人は神になることができる」
フォルカはまた言った。
「しかし。心は人のままだ。神もまたその心は人でしかない」
「!?じゃああれだよな」
ケーンは彼等の話を聞きながらあることに気付いた。
「神様ってのはただちょっとばかし力を持ってるだけだよな」
「ああ。ガンエデンだってそうだったよな」
タップもここで気付いた。
「イルイちゃんも心はちゃんとした人間だったからな」
「そうだよな。そして神様でもだ」
今度言ったのはライトだった。
「倒せるんだ。人間でもな」
「神を断つ剣」
その神を断ったゼンガーの言葉である。
「人はそれをおのずから持っているのだ」
「人は神でありかつ人である」
ククルも言う。
「そういうことだな」
「そうだ。心が人ならばそれで人なのだ」
ゼンガーの言葉だ。
「ただ。それだけだ」
「奴等はそれに気付いていないだけか」
刹那はゼンガーの言葉でわかったのだった。
「では所詮は」
「敵ではない」
こう言い切るゼンガーだった。
「対峙すればそれで終わる。それだけだ」
「そうか」
「それよりもまずは目の前にい
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