第百三十八話 アトランティス
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、そんなことは」
「いえ、そうよ」
しかしまだ言うシルヴィアであった。
「そして兄さんもまた人間なのよ」
「そんなことがある筈が・・・・・・」
「シリウス、御前も人間なんだよ」
アポロはまた彼に告げた。
「その心が人間だからな」
「天使も人間だと・・・・・・」
「だからこっちに戻れ!」
今またシリウスに対して叫んだ。
「俺達のところにだ。戻れ!」
「嘘だ。それは」
シリウスはそのことを必死に否定しようとした。
「私が人間だどと。そんなことが」
「そうだ。それは嘘だ」
頭使が彼のところに来て言った。
「詩使、君は天使だ」
「そうだな」
彼もその言葉に頷く。
「私は天使だ。紛れもなく」
「そうだ。そして」
頭使は今度はシルヴィアに対して顔を向けた。
「御前もまた我等の同胞だ」
「同胞!?」
「そうだ。だから来るのだ」
こう言いながら力を使った。そうして。
シルヴィアを引き寄せていく。そのうえで連れて行った。一瞬のことだった。
「くうっ!」
「しまった!」
ロンド=ベルの面々もこれには打つ手がなかった。
「シルヴィア!」
「今行く!」
「全軍撤退だ」
両使が天使達に指示を出した。
「それでいいな」
「うむ、わかった」
頭使がそれに頷く。
「今は戦える状況ではない。仕切りなおしだな」
「そういうことだ」
こうして彼等は撤退に向かう。しかしここで。
「行くぞ!」
「ああ!」
ロンド=ベルはここで突進した。そうして天使達に追いすがる。
「何っ!?追撃だと!」
「まさか。ここで」
「逃がすか!」
「あいつ等を逃がすな!」
こう言って追いすがるのであった。
そうしてそのまま天使達を追っていく。それを見たグレイも。
「・・・・・・・・・」
「おいグレイ=アンダーソン!」
「何処へ行くつもりだ!」
「俺も行く」
こう連邦軍に対して言うのだった。
「何故かはわからないが」
「!?どういうことだ」
「行くだと?」
連邦軍の者達はそれを聞いて目をしばたかせた。
「彼の感情はコントロールしている筈だ」
「それが何故」
「人の心」
グレイはこの中で呟いた。
「それを見せてもらおう」
「馬鹿な、戻れ!」
「何処へ行くのだ!」
「構わん」
しかしここで。彼等の乗艦のモニターにフィッツジェラルドが姿を現わしたのであった。そうしてそのうえで連邦軍の者達に言うのであった。
「それはな。構わん」
「大統領、何故ですか!?」
「それは」
「ここはロンド=ベルに任せるのだ」
彼は多くを言おうとはしなかった。
「だからだ。いいな」
「は、はい」
「それでは」
彼等も大統領の言葉では従うしかなかった。こうして止むを得なくグレイを行かせる。グレイは一人進みなが
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