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スーパーロボット大戦パーフェクト 第三次篇
第百三十七話 握られなかった手
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その通りだ」
サンドマンもその言葉に淀みなく返す。
「では聞こう」
「は、はい」
「人とは何だ」
彼が今度問うたのはこのことだった。
「人とは。何か」
「人ですか」
「我々は人間だ」
彼は言う。
「そう、生まれた星は違えど機械の身体であってもだ」
「俺もか」
宙がその言葉に応えた。
「サイボーグでもか」
「そして俺もだな」
次に応えたのはテムジンであった。
「俺もまた人間だというのか」
「その通りだ」
やはりサンドマンの声にはよどみがない。
「その心が人間ならば人間なのだ」
「だから兄さんもなのですね」
「如何にも。シリウスの心は人の心だ」
サンドマンは心を見ているのだった。
「ならば人に違いないのだ」
「そう考えていいんだな」
アポロはサンドマンのその言葉に顔を向けた。
「あいつが人間だって。それでいいんだな」
「そうだと思います」
エイナが恐る恐るといった感じで彼に告げた。
「アポロさんはシリウスさんを今まで人間だって思われていましたよね」
「当たり前だろ」
返答は言うまでもないといった調子であった。
「そんなのよ。今の今までよ」
「ではそういうことです」
エイナはまた告げた。
「シリウスさんは人間です。心が人間なのですから」
「心が人間」
「だからなんだ」
つぐみとジュンがここで呟いた。
「シリウスさんも人間なんですね」
「僕達と同じ」
「天使はただの種族に過ぎない」
リィルも言う。
「けれど人は心で人になるから」
「その通りだよ」
ユウナもその考えに賛同したのだった。
「結局ね。どんな姿をしていてもどんな血の色でも心が人ならその人は人間なんだよ」
「そうだな。だからコーディネイターも人間なんだな」
「そうだよ。国際エキスパートの人達だって人間だったよね」
「ああ」
カガリはユウナのその言葉に晴れ渡った顔で頷いた。
「その通りだ。私もあの連中は好きだった」
「そういうことなんだよ。簡単なんだよ」
「簡単なんですか?」
「そうさ。君だってコーディネイターであることに悩んだよね」
「はい」
キラはユウナの今の言葉に頷いた。
「前はそうでした」
「しかし今はそんなことはどうでもいいよね」
「はい、そうです」
その通りであった。
「そんなことは。ちっぽけなものだって」
「わかったよね」
「コーディネイターとかそういうのは問題じゃないです」
キラも長い戦いの中でそれを理解したのだった。
「心だって」
「そういうことさ。答えはそれなんだよ」
「それじゃあユウナさん、やっぱりシリウスさんは」
「僕達の仲間さ。そしてこれからの戦いは」
「その仲間を取り戻す為の」
「その通り。じゃあ皆行こう」
ユウナはあえて明るい声を出してみせた
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