『彼』とおまえとおれと
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「日紅。日紅の夢はなぁに?」
今にも眠りそうな微睡みの中、声が響く。
「ずっと一緒にいること」
日紅は毛布に顔を埋めながら答えた。
母親の膝の上、小学校6年生になったばかりとはいえまだ幼い日紅は甘えるようにきゅっと抱きつく。
「あらあら。それはママとかしら?」
「ママもだけど、あたし、せーくんと巫哉と一緒にいたい」
「本当に仲がいいわね、あなた達。今度はミコヤくんも連れてきてね?話はたくさん出るけど私一回も会ったことないんだからね、日紅」
「ん…巫哉がいいって言ったらね」
「そうね。日紅のお婿さん候補だから絶対連れてきてね。ママおめかしして待ってるから。でも犀くん以上に日紅のこと想ってくれてるかしらね〜?」
「巫哉は優しいよ。日紅がなくしたもの持ってきてくれたり、泣いてるときれいな所に連れて行ってくれたりするもん。意地悪だけど…」
「ふふ。日紅には二人もナイトがついているのね。幸せ者ねー日紅」
「うん二人とも大好き!あたし、大きくなったらおっきーい家を買うの。そこで、三人で一緒に暮らすの。美味しいもの食べて、いっぱい一緒にあそんで、ちゃんとお店屋さんもするの。お花屋さんもやって、おっきくなるまでずーっと一緒で、おっきくなってからもずーっと一緒なの」
「ずーっと一緒なの?」
「うん!死んじゃう時までずっと一緒にいるの。巫哉は長生きだから、巫哉にあたしとせーくんのお墓をつくってもらうの。それで幽霊になって出てきて時々遊ぶの」
「それが日紅の夢?」
「うん…」
日紅の母親は日紅のふわふわの癖っ毛を優しく撫でつけた。
「きっと叶うわ」
ケーキ屋に寄った帰り道、日紅と犀はもう大分暗くなっている公園に寄った。
「犀さま御馳走様でした」
ブランコに座った日紅が、同じように横の滑り台のスロープに座った犀に手をあわせる。
「いえいえ日紅さんの胸に肥料を与えたと思えば安いものです」
「せ〜い〜く〜ん〜?」
「あ、それともお腹かな?」
「こらっ!」
日紅は足元の砂を掴むと犀目掛けて投げつけた。
「おわっ!ペッ!口に入っただろ!すぐ手が出る癖やめろよなー」
犀は立ちあがって口を拭うと日紅に歩み寄ってその頭を軽く小突いた。
「痛!脳震蘯だわ慰謝料」
「今
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