GGO編
百十一話 消えない叫び
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は戸惑ったように考えだした。とはいってもアイリの名前に会いそうな知り合いに心当たりはないし、そもそも情報が少なすぎる。手掛かりが無いのでは辿り着きようも無い訳で……
「わ、分かりません……」
「だよね〜」
あはははと笑いながら言ったアイリに、ようやく自分がからかわれたのだと言う事に気付く。この人、見た目はともかく、自分より年上のようだ。
「私は、キミの学校の生徒会の副会長だよ」
「え……って、天松先輩!?」
「正解!」
そうなのだ。GGOに置いてキリトと同じく非常にまれな事に光剣使いであり、シノンの数少ない友人(?)でもある彼女、アイリ。本名は天松美雨、即ち、リョウの所属する、生徒会の副会長である彼女なのである。
「それは……え、ホントにですか?」
「あ、信じられない?なんなら君の恋人さんの名前行ってあげよっか?」
「いや!良いです。はい」
アイリが悪戯っぽく言うと、キリトは即座にもろ手を挙げた。シノンはと言うと、目をぱちぱちと開いたり閉じたりしている。
「同じ学校……?」
「あ、うん!キリト君とはね、ちなみに彼が言った通り、私は先輩でーす!」
「……中学校?」
「高校だよ!?」
アイリがずっこけつつ言うと、シノンは思わず、と言ったように苦笑した。
「アイリが先輩って、なんかちょっと想像つかないわね」
「あ、ひどい!それどういう意味!?」
「そのままの意味」
「えぇー!?私そんなに子供っぽいかなぁ……あ、若いッって意味!?」
「子供っぽいで合ってるわよ」
「さいですか……」
カクン、と項垂れたアイリを見て、今度はキリトが苦笑した。
「へぇ……せんぱ……アイリさん、シノンと話してるときはいつもこんな感じなのか……なんですか?」
「敬語じゃなくていいよ〜。うん、何時もはもうちょっと棘々しいけどね。今日は丸いみたい」
くすくす笑いながら言ったアイリに、シノンが突っ込む。若干頬が赤い。
「誰がよ、アンタ達に丸くなった覚えは無いわよ」
「えー?でも可愛かったよ、さっきのシノンとか……」
「忘れなさい」
「ぶー……」
苦笑しながら眺めつつ、何となくキリトはこのそっけない少女と人懐っこい少女の組み合わせに、デジャヴを感じたりしていた。今頃何をしているやら……
「っと、で、そのアイリさん、本題を……」
「あ、忘れてなかった?」
「あの……」
「あははっ、冗談冗談」
愉快そうに笑うアイリにキリトは内心押され気味だったが……しかし彼女の瞳がすっと元の微笑みに戻り、軽く地面を見つめたのをみて、その表情を引き締めた。
その横顔はどこか悲しげで、これからの話が、消して愉快な話では無い事をありありと示していたからだ。
「キリト君は分かると思うけど……私もね、去年まではSAOに
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