18.交差する道
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「この声はいのりとシオン?」
声の聞こえる方に俺と集は向かうと天井が破壊され夜空が見えるプラネタリウムだった場所であろう所でいのりとシオンが歌っている。
「......いのり」
「......シオン」
歌声を聞いていると目から涙が溢れてくる。
「あれ......」
集も泣いている。
「聞いてシュウ、もう自分を嫌いにならないで」
「カイも自分を責めなくてもいいよ」
「私、シュウと一緒にいてたくさんの気持ちをもらったよ。全部シュウのおかげ。みんながシュウのことを嘘つきって言っても、自分のことを嫌いになっても、私はシュウの味方だから」
「私もカイがどんなことをしても、私はカイについていくよ。それがどんなに辛い茨の道だとしても」
シオンが俺を抱きしめてくる。
シオンは暖かく、柔らかく、何より優しい。
「シオン」
「いのり」
「それじゃあ、いくね」
「またね、カイ」
「みんなが探してるのは私たち」
「だから、私たちが囮になる。その間に.....」
「そんなのダメだ!!!」
「囮なら俺が........シオンたちを犠牲にするぐらいなら.......」
シオンが俺の額に指を当てる。
すると、急に眠気が襲ってくる。
「シ、シオン......」
「うっ.......う」
目を覚ますといのりとシオンの姿はなくなっていた。
「集、起きろ」
集は目を覚まし、手の中にあるいのりの髪留めを見るとまた泣き出しそうになる。
「泣いてる暇があるなら.......やることはわかるだろ」
集は涙を拭い立ち上がる。
「うん、そうだね」
集は決意を決めた顔で俺の前に立つ。
「そういえば、まだだったな」
俺は左手で拳を握りしめ、集の頬をぶん殴る。
集は当然ながら吹き飛ばされていく。
「行くぞ、集!!!」
集に手を差し伸べる。
「うん!!いのりとシオンを助けに!!!」
その手を力強く集は握りしめ立ち上がる。
途絶えた俺たちの道が今一度交差した。
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