暁 〜小説投稿サイト〜
スーパーロボット大戦パーフェクト 第三次篇
第百三十一話 見抜いた罠
[19/20]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
の艦長達が応える。彼等は戸惑いながらもそれに従うしかなかった。
シンクラインの戦線離脱が決定打になった。帝国軍はそのまま撤収した。ローザ達はこれにより何とか死地を逃れることができた。しかしであった。
「私の役目は果たした」
ミズカは今まさに沈まんとする己の乗艦の中で言っていた。
「それでは」
「はい、これで我々の仕事は終わりました」
「これで。もう」
部下達も彼女の言葉に頷く。そうしてそのうえで艦と運命を共にする。彼女もまたこの戦いにおいて命を落としたのであった。
「ミズカもか」
「はい」
この話はクロッペンの下にも届いていた。彼はその話を沈みきったまま聞いていた。
「そうか。我々を逃がす為に」
「見事な最期だったとのことです」
「皆死んでしまった」
クロッペンは呟いた。
「カブトもプロザウルスもボイダーも」
「それは」
「そしてミズカもだ」
彼女の名前も出すのだった。
「私の為に死んだ」
「・・・・・・・・・」
今度は部下達が沈黙してしまった。クロッペンはその中で言葉を続ける。
「しかしだ。私はだ」
「閣下は」
「生きている。だが私は」
彼は言うのだった。
「クローンだ。クローンに過ぎない」
シンクラインに告げられたこの事実に打ちのめされ続けていた。
「所詮な。人形だ」
「ですが閣下」
「閣下はここにおられます」
だが部下達はこう彼に言うのだった。
「しっかりとここに」
「そして今まで戦ってこられました」
「今までか」
「そうです。そしてミズカ様達はその閣下の為に」
「御命を」
「私の為に」
ここでクロッペンの言葉の色が変わった。
「私の為にか」
「そうです、閣下の御為に」
「その御命を」
「そうだな」
クロッペンの声が高くなってきていた。
「私の為に。ならば」
「ならば?」
「どうされるのですか?」
「戦う」
声が毅然としたものに戻った。
「私もまた戦う」
「そうです。それでは」
「我々も」
残された部下達もそれに応えるのだった。
「最早我々は帝国軍に戻ることはできない」
「完全に謀反人です」
「捕まればそれで」
「ならばだ。進むべき道は一つだけだ」
言いながら彼が取った行動、それは。
「なっ、閣下」
「一体何を!?」
「最早このようなものは不要だ」
言いながらその仮面を外した。するとそこから髭を生やした顔を見せるのだった。
「私はこれから素顔で戦う」
「素顔でですか」
「ではこれからは」
「ガルラ帝国との戦いに入る」
彼はまた言った。
「それでよいな」
「そうだ、その通りだ」
「我々にはそれしかない」
ローザとテラルがここで彼に言ってきた。
「何があろうともな」
「いいな」
「うむ、私は決めた」
クロッペン
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ