第百三十話 狂気の結末
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第百三十話 狂気の結末
「おのれ、おのれ!」
最早風間博士は半狂乱だった。
「何故だ、何故わしの作戦が失敗した!」
「ひ、ひいい!」
「お許しを!」
部下達は彼の振るう電気鞭から必死に逃れている。しかしそのうちの数人は運が悪く当たりそれにより黒焦げになって息絶える。
「そして逃げねばならんとはな!」
「ですが博士」
「それでもです」
彼等は何とか博士を宥めようと言ってきた。
「また援軍が来ました」
「今度は五千万です」
「五千万か」
「はい、五千万です」
「土星から援軍が送られてきました」
このことを彼に告げるのだった。
「これだけの兵力があれば流石に」
「今度こそロンド=ベルを」
「うむ、そうだな」
彼はその言葉を受けて次第に落ち着いてきていた。
「それだけあればな。いけるな」
「そうです。では集結を終えたら」
「反撃に移りましょう」
「よし、では作戦決定だ」
様々な問題があるが彼は決断力だけはあった。
「まずは五千万の兵と落ち合う」
「わかりました」
「それでは」
「そしてそのうえで反転し今度こそロンド=ベルを倒す」
彼は言うのだった。
「それでよいな」
「はい、それでは」
「そのように」
「五千万の戦力で完全に叩き潰す」
そしてその考えも進歩がなかった。
「いいな」
「了解です」
これで博士の機嫌は何とかなおった。ガガーン達もそれを聞いて言うのだった。
「これで大丈夫だな」
「うむ、五千万だ」
「今までとは数が違う」
ガガーンの言葉にダルトンとメサも頷く。
「それだけの数があればだ」
「必ず奴等を倒せる」
「必ず」
「それにだ。我等にとって最後の機会なのだ」
ガガーンはここで言葉を曇らせてきた。
「最後のな」
「というとやはり」
「シンクライン殿下が」
「そうだ。木星での度重なる敗戦に殿下は御立腹だ」
シンクラインの性格を考えればそれは当然のことであった。
「そうだな。それでは」
「次の戦いに敗れれば我等は」
「粛清だ」
彼等の辿り着く結論はこれしかなかった。
「わかるな。それは」
「うむ」
「確かに」
ガガーンだけでなくダルトンにメサも青い顔になっていた。
「では今度の戦いで勝たなければな」
「死ぬのは我等だ」
「処刑されて終わりだ」
「そうだ。だからこそだ」
ガガーンはまた言った。
「行くぞ、いいな」
「うむ、我等の為に」
「ロンド=ベルを倒す」
彼等にしても必死だった。今木星の衛星の一つの側で軍を集結させていた。しかしそれはロンド=ベルの察知するところであった。
「敵軍は五千万です」
「ですが我々に気付いてはいません」
サコンとピートが大文字に告げる。
「それでは博士」
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