第百三十話 狂気の結末
[14/14]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
「敵の策にかかってかかるんだよな」
弁慶も首を捻っていた。
「一体どういうことなんだよ」
「まずはその罠を見破ることだ」
隼人は冷静に告げた。
「見破りそれにかかる」
「ああ」
「それでか」
黒銅と青銅も言う。
「それからだな」
「どうするんだ?」
「罠にかかればそこで間違いなく攻めてくる」
隼人の言葉が続く。
「俺達はそこを攻めて反撃に転じる。これだ」
「そうか。それか」
「そこを攻めてか」
「そうだ。あえて罠にかかりそこで反撃だ」
これが彼の考えであった。
「それでどうだ」
「そうだな。それも面白いな」
「罠によるけれどな」
「シンラクイン皇太子のことです」
ファーラは顔を曇らせながらも言う。
「おそらく複数の罠を仕掛けているでしょう」
「だよな、あいつはな」
「絶対にそうしてるよな」
「その中にはあえて乗り易いものもある筈です」
ファーラは一同に応えまた述べた。
「それに乗れば必ずです」
「やれるな」
「はい、そうです」
一同の言葉に頷くファーラだった。
「ですからここは乗りましょう」
「了解。それじゃあな」
「それで仕掛けるか」
「それではだ」
大文字はここであらためて一同に声をかけた。
「土星に行く。そして」
「罠にかかりましょう」
「是非共」
「そうだ。だが考えられる罠は想定しておこう」
このことも考えておくのだった。
「しっかりとな」
「まずエネルギーや弾薬を減らしたり」
「他は機雷に」
皆すぐに考えだした。
「後はあれか?動きを止める」
「そういうところか」
「動きを止めるのが一番いいんじゃないのか?」
武蔵がここで言った。
「奴等のことだからそこを攻めてくるだろ」
「だよな。奴等のことだから」
「絶対にな」
「やってくるよな」
「機雷なら自分達も巻き込まれる恐れがある」
京四郎はそこを指摘した。
「そしてエネルギーや弾薬を減らすのも同じだ」
「巻き込まれるってわけね」
「そうだ」
ナナにも述べる京四郎だった。
「じゃあやっぱり動いてくるのは動きを止めるのだな」
「もうここぞとばかりに来るから」
「それを逆手に取ってか」
「それでいい」
京四郎はまた言った。
「では行くか」
「了解、それじゃあ」
「いざ土星へ」
こうしてロンド=ベルは土星に向かうのだった。あえて帝国軍の策に乗ることを決意して。土星でも激しい戦いがはじまろうとしていた。
第百三十話完
2009・5・21
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ