第百三十話 狂気の結末
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也はまた言った。
「何か。嫌な感じだな」
「気にするな、闘志也」
ジュリイはそんな彼に対して告げた。
「博士は自業自得だ。こうなるべくしてなった」
「破滅したってことかよ」
「そうだ。博士は破滅するべくして破滅したんだ」
このことを彼に言うのだった。
「だからだ。気にすることはない」
「そうか」
「そうだ。それにこれで木星は俺達の手に戻った」
既に戦闘は終わっていた。帝国軍は姿を消していた。
「そして多くの敵を倒すことができた。これは大きいぞ」
「そうだな。木星は俺達の手に戻った」
謙作も言った。
「次は土星だな」
「ああ、そうだ」
木星での戦いは博士の死と共に終わった。五千万を数えた大軍は百万足らずまで減り戦場を離脱した。彼等はクロッペン、テラルの軍に保護され土星に向かった。
「派手にやられたものだな」
「全くだ」
そのテラルとクロッペンがモニターを通じて話をしていた。
「木星は陥落し多くの戦力を失った」
「どうしたものか」
言葉を交えさせるその顔も暗いものだった。
「五千万の戦力がここまで減らされるとはな」
「この損失は大きい」
「殿下は何と言っておられる?」
テラルはクロッペンにこのことを問うた。
「既に報告はしたのだな」
「うむ、それは既にな」
クロッペンもこのことに対して頷くのだった。
「殿下に対して報告した」
「それで何と」
「我が軍は各宇宙より戦力を集めるとこのことだ」
まず言うのはこのことだった。
「そしてそのうえで。ロンド=ベルと土星で決戦を挑むとのことだ」
「そうか。土星でか」
「全ての戦力を集めてな」
「それは危険ではないのか?」
テラルはそれを聞いて危惧の言葉をあげた。
「地球に全ての戦力を集めると抑えが聞かなくなるぞ」
「それは私も危惧している」
クロッペンもそうなのだった。
「私もだ。それは危険だと思っている」
「では殿下を何としても」
「話を聞かれるような方だと思うか?」
しかしここでクロッペンは言うのだった。
「諫言を」
「むっ、確かに」
「そういうことだ。既に殿下もかなり焦っておられる」
クロッペンはまた言った。
「今の我が軍の状況もな」
「それでか」
「そうだ。どちらにしろ殿下は土星での戦いに全てを賭けておられる」
クロッペンの言葉が鋭いものになった。
「勝利の為にな」
「わかった。ならばだ」
テラルは苦い顔だったがそれでも頷いた。
「我等も。土星で」
「ロンド=ベルと最後の戦いだ」
やはりこれしかなかった。
「それでいいな」
「うむ」
「だが」
しかしここでテラルは言うのだった。
「いや、いい」
「どうした?」
「何でもない。だが多くの戦力を失った」
このことに強引に話をやるのだった。
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