第百二十三話 月の解放
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に」
「そうだ!」
また言うのだった。
「何度でも言おう。貴様は無能よ」
「私は無能だというのか」
「無能でなくて何だというのだ?」
なおも言い返す。
「作戦の失敗を繰り返す貴様がだ」
「おのれ・・・・・・」
「止めておけ」
一触即発となろうとしたところでガットラーが二人の間に入った。
「ローザ」
「はい」
「御前は次の基地に行け」
「次は私ですか」
「そうだ」
こう彼女に告げるのだった。
「よいな。次だ」
「わかりました。それでは」
「そしてネグロスよ」
「はい」
続いて彼に声をかけた。
「貴様のその作戦だが」
「どうされますか?」
「まずは止めておけ」
今は進めさせようとはしなかった。
「まずはだ。よいな」
「止めておけというのですか?」
「少なくとも今すぐ行うものではない」
こう言うのであった。
「今はだ。殿下も地球はそのまま手に入れるおつもりだ」
「それは何故でしょうか」
「まず地球人共は全て奴隷にする」
これは奴隷制国家であるガルラ帝国ならば当然のことであった。
「しかしだ。残る地球はだ」
「どうされるというのでしょうか」
「殿下の別荘とされるのだ」
だからだというのである。
「だからだ。汚してはならん」
「左様ですか」
「無論止むを得ん場合はある」
しかしここでこうも言うのだった。
「その場合はだ。軍人として決断を下せ。よいな」
「はっ、それでは」
ネグロスはガットラーの言葉を受けた。それまでのローザとのやり取りとはうって変わって冷静であった。そしてその声で応えたのだった。
「そのように致します」
「わかったな。では貴様は第三の基地だ」
「畏まりました」
「あの基地に核も回そう」
「ガットラー様、それは」
「全ては勝つ為だ」
こう言ってローザの言葉を退けるのだった。
「その為には何でも使う。よいな」
「左様ですか」
「わかったならばすぐに行け」
こうも告げるのだった。
「よいな」
「・・・・・・わかりました」
釈然としないながらも頷くのだった。
「それでは。そのように」
「うむ、では行くがよい」
「はい」
こうしてローザはその基地に向かった。そうしてそのうえでまた戦いに向かうのだった。月での戦いは不気味な方向に動こうとしていた。
第百二十三話完
2009・4・27
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