アインクラッド 前編
思わぬ懺悔、そして攻略へ
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き、口元を引きつらせる。よっぽど恐ろしい目をしているんだろうと思いつつ、マサキが逆サイドのトウマに目をやると、案の定彼の顔は恐怖と不安に揺れていた。
今日のボス戦に影響が出なければいいが、とマサキは不安に思ったが、突如発生した歓声がその思考を吹き飛ばした。
見れば、ディアベルがいつも通りの美声を中央で張り上げ、それに呼応して周りから歓声と拍手が地鳴りのように響き、一気に広場を包む。マサキも耳を塞ぎたい衝動を必死に堪え、最初は騒音で、続いてもう一つの理由で顔をしかめた。すると、キリトも同じことを考えたのか、真剣な表情でマサキにささやく。
「……マサキ、トウマ。――どう思う?」
「緊張を取るのはいいが、少しやりすぎだな。もっとボス戦の回数を重ねてからなら分かるが……今の段階でそれをやるのは時期尚早だ」
マサキが叩いていた手を止めて答えると、トウマも真剣そうに頷いた。まだ熱狂の渦に呑み込まれている観衆を見回すと、後方のエギルたちB隊だけは緊張感を保っている。
マサキは彼らに対する信頼度を少しだけ引き上げて、再び中央に視線を戻す。ディアベルが張り上げた声に続いて湧き上がった歓声は、マサキの脳裏で何故かデスゲーム初日の絶叫を想起させた。
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