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人狼と雷狼竜
先輩方の会議と次の方針
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人狼の奴が知ったら血の雨が降るわな」
 卓也が面白くなさそうに吐き捨てた。
「何とかならねえかな……」
 正太郎が机の上で両手を握り締めた。
「――――――人が人を殺すっては……なんか、納得いかないよ」
 何処かやりきれないように……沈んだ声で言った。
「同感だな」
「そうだね。納得して良い事でもない」
「けど、彼には愚問なんだろうね……でも」
「オイ大吾、お前まで……」
「最後まで聞きなよ」
 思わず食ってかかる正太郎だが、大吾はそれを掌を前に出して制する。
「でも、彼が斬ってきたのはあくまでクソヤロウの類だけで、それ以外は誰も斬っちゃ居ない事は確かだよ。ま、その度に血の雨が降るせいで正義の味方には遠いかもだ」
 大吾は酒の入った湯呑を揺らしながらなんでもないように告げるが、朱美と卓也は顔を引き攣らせ、一鉄は額を抑え、正太郎は寒気を感じたのか両肩を抱き竦めた。
「ま、人殺し云々についてはこれで終わりにしようね〜。俺らの管轄じゃないし、今は明るい話題を出そう。例えば集会場の女湯の覗き方とか――――――へぶぁ!?」
「仮にも女のアタシの前でそんな話題を出すんじゃない!」
 不届きな発言をした大吾を顔を真っ赤にした朱美がコークスリューの入った拳で吹き飛ばす中、先ほどの空気は霧散していった。
「そう言えば、アイルー達が何か高台作ってたが、ありゃあ何だ? さっき見たら完成してたみたいだが」
「ああ、アレか。そっか……完成したのか」
 一鉄が口にした事柄を正太郎は知っていたようで、正太郎の目に強い光が宿った。
「知ってるのか?」
「ああ。俺達の訓練の為の物だよ。以前は休憩所の屋根を代わりに使ってたんだが……」
「屋根? ちょっと待ちなよ正太郎。一体何の訓練をしてるんだい?」
「何って……高いところから飛び降りる訓練」
 朱美の問いに、正太郎はしれっと答えた。
「えーっと……」
「何? 滝から飛び降りたりするの?」
 卓也が何かを言おうとする中で、復活した大吾が言う。
「……流石にそれは無ぇとは思うけど。ヴォルフ曰く、必ず必要になる、とか。ま、確かに足腰鍛えられたから、今じゃ銃槍を難なく構えられるぜ」
「ブッ壊れてるけどね」
 正太郎が右腕に力こぶを作って言ってみせたが、朱美の一言でその顔が凍りついた。
「面白そうだな。丁度暇してるから、付き合わせて貰えるか?」
「ほえ?」
「あ?」
「へ?」
「へえ」
 一鉄の唐突な発言に、正太郎は勿論のこと、卓也と朱美も目を見らいて驚いているが、大吾だけは興味深げにニヤリと笑ってみせた。
「いや、俺は別にいいけどさ。色々と面倒だぜ? 着地時の姿勢やら何やらでさ」
「そこは教えてよ。自分も再確認出来ていいじゃん」
「大吾。お前もか!?」
「……朱美、何をそ
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