先輩方の会議と次の方針
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い。ジャギィにすら対処が難しい……ナルガクルガに出くわしたりしたら目も当てられない。
「だからと言って、夏空達に護衛を頼むのもねえ……護衛対象の方が経験は豊富だというのに丸腰な上人数も多いってのは……正直荷が重いと思うよ。ストラディスタも神無もいないんじゃね」
丸腰五人を四人で護衛しながら徒歩での下山など、危険以外何者でもない。
鍛冶屋の方は既に他のハンター達の依頼でいっぱいな為に、装備の新調もままならない。
オマケにこの村の武器屋のそれは、主力武器を改造に出して完成までのその繋ぎとして買われたり、他にも武器を失ったハンターたちもいて、予備として複数購入があって品切れだ。
「……アイルー連中でサイガのギルドに伝令を出すってのは?」
「不在だよ。担当が丁度入れ違いでサイガに行ってる」
つまり、手の出しようがない。
最後の最後で正太郎は止めを刺されて机に突っ伏して、止めを決めた大吾は何処か得意げだ。
「ヴォルフぅ〜。早く帰って来いよぉ〜」
「俺ぁアイツに借り作るなんざゴメンだぜ」
「もう作ってるだろう?」
正太郎が情けない声を出す中で、卓也が憮然として吐き捨てるが、一鉄が先日の件を指して言った。
「うるせぇな……」
「何がそんなに嫌なんだ?」
「気に入らねぇんだよ。あのすかした態度がよ……調子こきやがって」
「……それ、ただの嫉妬だよ?」
大吾の容赦のない一言で拓哉が目を見開くが、その眼前で朱美が掌を机に叩き付けた。
「止めんか!」
彼女のその一言で一気に静まり返った。
「確かに借りを作りっぱなしになるのは性に合わないけど、それでも次はストラディスタに頼らざるを得ない。でもね、仲違いをする前に出来る事を探せ」
卓也はその言葉に舌打ちしつつそっぽを向いた。
「……でもね、確かに彼がどう動くかが問題なんだよ」
「?」
「何が?」
正太郎を始めとする全員が朱美の言葉の意味が理解できずに首を傾げ……一鉄が目を見開いた。
「『人狼』……人斬りってことか」
一鉄の言葉で、その場の空気が急に冷え込み始めたのを、その場のもの全員が感じた。
「そう。確かに、こんな事する奴等だから今回の件が初めてって訳じゃないだろうさ。裁判でも死刑は確実と言えるし、遺族と犠牲になった人々の為にも犯人は裁かれなければならない。そして――――――」
「――――――ストラディスタがこの件を知ったら動くと思う」
朱美は一拍置いてから告げた。
「ギルドで聞いた事なんだが……『人狼』ってのは何時の間にか定着していたけど、実の所は称号みたいなものみたいなんだ」
「称号? それじゃ、異名とか……寧ろ誉れあるもんじゃないのか?」
「いや……そうでもないな」
正太郎の問いに、一鉄が反
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