第5章 契約
第51話 湖の乙女
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ラグドリアン湖の異常増水事件に対処する事になったけど、構わないな」
湖の乙女が顕われた瞬間に驚きの気を発して以来、少しの警戒感に近い雰囲気を発しながら、俺と湖の乙女のやり取りを見つめていたタバサに対して、そう問い掛ける俺。
しかし、何故か、少し否定的な気を発しながら、タバサが俺を見つめる。
そうして、
「ラグドリアン湖の精霊は、貴女のような存在ではない」
俺から湖の乙女の方に視線を移して、そう問い掛けた。
成るほど、最初にタバサが驚いた理由はその部分ですか。
そして、何度も俺の前に顕われた湖の乙女と、普段の状態のラグドリアン湖の精霊と言うのは、姿形が違うと言う事なのでしょう。
但し、その部分は別に不思議でもなんでもないとは思うのですが。
何故ならば、相手は精霊。神霊に分類される存在は、その時の召喚者の精神の在り様に因って姿形を変える者も少なくは有りません。
そして、今晩、この場所に彼女を呼び寄せたのはタバサではなく俺の方です。ですから、俺の、湖の乙女に対するイメージがタバサに良く似た姿形を取らせている可能性だって有りますから。
俺的に言うと、もう少し、女性らしいフォルムの女性の方が好みだと思っていましたし、メガネの有る無しに拘りも無かったと思うのですが。
まして、揃いも揃って、無表情で無口。何を考えて居るのか判り難い不思議ちゃんでは、二人を相手に交渉を行う事は非常に困難が伴う事なのですが。
「この姿形は、彼がそう言う有り様を望んだから」
俺を一度見つめてから、予想通りの答えを返す湖の乙女。
ただ、どうやら俺の心の奥深くには、タバサと似た容姿。更に、雰囲気までもが強くイメージされていると言う事なのでしょう。
ついでに言うと、セーラー服にも、何らかの拘りが有った、と言う事なのかも知れないのですが。
そうしたら……。
「なら、もう問題はないな?」
タバサに対してそう問いかける俺。
俺の問い掛けに、少し考えた後、小さく、しかし、はっきりとタバサは首肯いたのでした。
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