第5章 契約
第51話 湖の乙女
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ン湖の精霊と言うのは、ラグドリアン湖を完全に支配する精霊。そう考えても良い訳なんやな?」
俺の引き続き行った質問に対しても、首肯く事によって答えと為すタバサ。
成るほど。しかし、その場合だと、この異常増水事件の原因とは……、
ひとつは、そのラグドリアン湖の精霊自身が起こしている事件の可能性。
そして、もうひとつ。それは、その湖のすべてを支配するはずの精霊でさえ対処する事の出来ない厄介な事件が起きつつ有ると言う可能性。
最後のひとつは、何が起きているのか原因は判っているけど、湖の精霊が、その異常に増水を続けている状態を放置している可能性。
さっと思い付くのはこの三つのパターンぐらいですか。
それならば、これから……ラグドリアン湖に到着して、湖の精霊を呼び出してから起きる可能性の有る事態は。
そのラグドリアン湖の精霊相手の戦闘に発展するか、
それとも、湖の精霊に協力して、厄介事に対処するのか。
湖の精霊の依頼に因って、俺とタバサのみで厄介事に対処するのか。
最後は、その湖の精霊によって簡単に事態が収拾されるけど、代わりに別の依頼を受けさせられる可能性。
もっとも、この内のどれで有ったとしても、それなりに手間の掛かりそうな雰囲気ですか。
そうしたら、
「そのラグドリアン湖の精霊とはどんな存在なんや。純粋な水のエレメントなのか、それとも、具体的な何かの姿形を取ったモノなのか」
次は、この疑問に関しての質問ですか。そう思い、引き続きタバサに尋ねる俺。もっとも、これは有る程度の確認作業以外の何物でもないのですが。
例えば、俺の前に顕われた湖の乙女と名乗った少女や、俺の連れている水の精霊ウィンディーネは女性形の姿形を持つ存在の代表的な例です。
そして、純粋な水のエレメントとは、大気の中に存在する小さき精霊たち。後は、ソロモン七十二の魔将の中に存在する魔将ビフロンスなどの水由来の不定形の魔物の代表例ですか。
「ラグドリアン湖の精霊は不定形の魔法生命体」
しかし、タバサの答えは俺の予想を微妙に裏切る答えで有った。
……そうだとすると、あの夢で二度、出会った少女はラグドリアン湖の精霊では無かったと言う事なのでしょうか。
それとも、そのラグドリアン湖の精霊には、相手の心を読む技能が有って、俺が受け入れやすい姿形を選ぶ事が出来るのか、
もしくは、彼女との間に本当に前世より結んだ縁が存在していて、その前世の姿と言うのが、あの時に……彼女が顕われた時の姿形だったと言う事なのか。
神霊がウソや冗談を言う可能性……はない事もないけど、あの時に顕われた彼女は、そう言う存在とは少し遠いような気がしますから。
「そうか。それなら、後はラグドリアン湖の畔
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