暁 〜小説投稿サイト〜
茨の王冠を抱く偽りの王
17.時の茨
[4/5]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


「シオン!!!」

俺はシオンの手を取り逃げる。

「シオン.....俺から絶対に離れるなよ」

「うん!!!」

右腕が今だ発せられたことのないくらいの光を放つ。その輝きは俺たちを包み込んでいく。
そして新たなるヴォイド........最強のヴォイドが姿を現す。

俺の右腕から現れたヴォイドは........茨。
その茨はこの場全てを包み込んでいく。

「茨だね」

「王冠だ」

この会話どこかでしたような気がする。

「茨の王冠(ギルティクラウン)だ」

茨はとどまることを知らず、全てを飲み込んで行く。

『なニ!?ナに!?あぁぁぁぁぁっ!!!!』

茨は黒のシュタイナーを突き刺す。
それでも茨は止まることをしない。

「王様!!!このままじゃ、みんなの所に!!?」

「わかってる!!でも、制御出来ないんだ」

茨は俺のいうことを聞かない。
これが最強のヴォイド!!!
強すぎる!!!

「止まれ!!!止まれ!!!止まれよ!!!!」

それでもヴォイドは止まらない。
ーーこのままじゃみんなが.......

「クソッ!!!!!」

諦めかけた次の瞬間、俺の体を光が包み込む。
それは前に俺が綾瀬のヴォイドを取り出した時のように......

その光の正体は俺の胸が光っていた。
その光はヴォイドを取り出す時の光のように。

「これは......ヴォイドの光?」

「王様.........自分を使って」

シオンはいつもの笑顔で俺に言う。

「あぁ.......今こそ俺自身を解き放つ!!!!」

茨が出続ける右腕を力を全力で入れて光る俺の胸にブチ込む!!!

「うっ!!!あっ!!!」

胸から結晶が現れ、その結晶は俺の左腕全体を包み込む。
結晶が砕け、現れたのは.......左腕そのものだ。
だが、人間の腕とは言い難い腕だった。人間の腕の様に手も腕もちゃんとあるが色は真っ黒で緑色のラインが中央に一本入っている。

「これが.....俺のヴォイド」

ヴォイドはその人のトラウマや心を映し出す鏡。
つまり、俺のヴォイドの能力は.......

俺は自分の右腕を左手で掴む。

すると、左手が触れた瞬間、出現し続けていた茨が止まり、茨が右腕の中に戻って行く。

茨は完全に消え去った。

「これが王様のヴォイド.......」

「行くぞ、シオン。集を助けに!!」

「うん!!!行こ!!!」




「......何だよ、これ」

あり得ない光景.......いや、あり得てはいけない光景が俺たちの目の前にあった。

巨大なクレーターのような穴に落ち、右腕を抑え倒れこむ、集。集の右腕は消え去
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ