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茨の王冠を抱く偽りの王
17.時の茨
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しないでね」

「おう!!!」

新たにヴォイド取り出す。
処刑剣を取り出す。

『あレ?あれレ?タまぎレ?』

「今だ!!走れ!!!」

シオンは走って行く。

『たーゲッと!!ニがさナイ!!』

黒のシュタイナーは走るシオンの方に向かう。

「お前の相手は俺だ!!!」

処刑剣から斬撃を繰り出す。それは確実にヒットした......がキズがつくどころかまるで攻撃でも受けてないような感じだ。

『ジャま!!!!!』

黒のシュタイナーからミサイルが4発飛んでくる。
それをマントで防ぐが.......防ぎきれない。
ミサイルの爆風に巻き込まれ飛ばされる。

「王様!!!」

シオンの声が聞こえる。
でも、その声は掠れたような声だ。

ーーダメだ......力が入らない.......ヴォイドも取り出せない。

掠れる視界の中、黒のシュタイナーが迫ってくる。

ーーここで俺は死ぬのか?


「だらしないなぁ。それでも王なの?」

誰かの声がする。
その声は無邪気な子どものような声だ。

「おい、起きろ!!」

今度は低めの男の声だ。

その声を聞き、重い目を開けるとそこには、赤いコートにフードをかぶった長身の男と水色のショートでいのりが着ていた服の色違いを着ている少女が。

「あなたたちは?」

男の方が口を開く。

「死人だ」

「うわぁ、死人だって恥ずかしい、スクルージ」

水色のショートの少女が小馬鹿にした感じで言う。
というか、この少女はあの夢に出てきた少女。

「黙れ、キャロル!!」

「コワァい、スクルージが怒った」

何かコントを見てるような感じだ。

「死人ってことは俺は死んだんですね」

「お前はまだ死んでない」

「そうだよ、まだ君は死んでないよ」

「じゃあ、君たちは?」

「まぁ、クリスマスの亡霊ってとこだね」

意味がわからない。

「まぁ、プレゼントを届けにきたんだよ」

「プレゼント?」

「お前の右腕に入ってる最強のヴォイドをな」

「........最強のヴォイド?」

視界に映る、二人の姿が遠のく。

「その力で今度こそ守って見せろ。行くぞ、キャロル」

「待ってよ、スクルージ!!」

二人は姿を消し、再び視界に黒のシュタイナーが現れる。

『コれデ、オわリ!!!』

俺に向かいミサイルを発射してくる。

「王様!!!」

シオンはすぐ近くまで来ていた。
逃げろって言ったのに!!

力を振り絞り戦輪のヴォイドを取り出し、ミサイルを消滅させる。

『エっ!!!!!』

俺はシオンに向かい走る。

「王様!!!!」

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