第百十一話 四十年前の記憶
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それとも」
「それとも?」
しかし万丈はこうも言った。
「そういうことになっているのかもね」
「!?どういうことなんだ万丈」
宙にも今の言葉の意味はわからなかった。
「そうなってるってよ」
「ドモンが言っていた言葉が気になるんだよ」
万丈は宙のその疑念に応えてまた述べた。
「何か。周りが全部機械みたいだってね」
「そういえばそんなことを言ってたな」
「アポロ君も同じことを言っていた」
今度はアポロを見て言った。
「そうだったね。この街の人間は機械みたいだって」
「生きている感じはしねえな」
アポロは彼の言葉に応えて述べた。
「それも全くな」
「そうだね。だとしたら」
万丈はさらに言う。
「この街はイミテーションかも知れない」
「イミテーション!?」
「まさか」
「とにかくまだ結論は出せない」
こう言いはする。
「けれどそれでも。これは仮説の一つにはなるよ」
「仮説にか」
「うん。さて、どうなるかな」
万丈は今度はシリウスに応えて述べた。
「この謎は」
「それで皆様」
話が一段落したところでそのノーマンが彼等に言ってきた。
「ロジャー様ですが」
「あっ、そうだったな」
エイジは彼のことを思い出した。
「あの人は何処なんだ?それで」
「今来られます」
こう彼等に告げるのだった。
「そして皆様に御馳走をしたいと」
「食事か」
「既に用意はできております」
ノーマンはこうも彼等に述べた。
「ですから。ここは是非」
「俺はいいがな」
宙だけはそれは断った。
「俺はサイボーグだからな。だからそれはいらない」
「ドロシー様と同じですね」
ノーマンはそれを聞いて静かに述べた。
「ならば」
「ああ、悪いな」
「いえ、構いません」
それはいいというのだった。
「その方の事情がありますから」
「だからか」
「はい。それでもです」
しかしそれでもとノーマンは申し出てきた。
「お食事の場には出て下さい」
「それはどうしてなんだ?」
「ロジャー様から御礼を申し上げたいからです」
このことも彼等に話した。
「ですから。是非」
「御礼?」
「今まで。戦闘において助けて頂きましたから」
だからなのであった。
「ですから。是非共」
「そういうことならわかったぜ」
宙もここまで話を聞いたうえで頷いたのだった。
「じゃあ俺もな」
「はい、御願いします」
「さて。まだ謎は何一つとかれてはいないけれど」
万丈はそれはまずは置いておくことにした。
「それでも。今は休息を取るとしようか」
「休息ですか?」
シルヴィアは万丈がいつもの余裕のある調子で述べたので顔を少し顰めさせた。
「今はそんな時じゃないと思うのですが」
「いや、その時だよ」
だが万丈はこう言う
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