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スーパーロボット大戦パーフェクト 第三次篇
第百九話 遥か久遠の彼方
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うのだ。
「私はムーリアンの真実に気付いただけだ」
「どういうことだ」
「青い血が流れていることには何の意味もない」
彼は言う。
「それはただそれだけのことでしかない」
「馬鹿な、それこそが我等の」
「青い血が流れていても心が人ならば」
そして言うのだった。
「それは人だ。ムーリアンであろうとも」
「我等は赤い血の者なぞより遥かに尊いのだぞ」
エルンストはその老いさばらえた顔で功刀を睨み据えていた。
「それすらも否定するというのか」
「それも誤りだ」
やはりそのことも否定した。
「私はロンド=ベルを見ていてわかった」
「あの者達をか」
「そう、異界から来た彼等を」
言葉が強いものになった。
「見てわかったのだ。青い血が流れていようと多少の力があろうとそんなことは些細なことでしかない」
「些細な・・・・・・」
「真に尊い、真に強い」
さらに言う。
「それを定めるのは心だ。人としての心だ」
「では貴様は何なのだ」
「私はムーリアンだった」
それは認めた。
「だが」
「だが?」
「人になる。今ここでな」
「人になるだと」
「全ての決着を着ける」
今度はエルンストに銃を向けた。
「これで。ムーリアンの因果を」
言いながら銃を放った。銃弾はエルンストの胸を撃ち貫いた。彼は青い血を流しながら倒れその場で事切れた。これがエルンストの最期であった。
だが同時に功刀の最期でもあった。彼もまた銃弾に胸を撃たれていたのだ。
「ぐっ・・・・・・」
「司令!?」
「私だけでは死なん」
心がエルンストのものになったエレナがうつ伏せになりその口から青い血を流しながら彼に対して銃弾を放っていたのである。
「ムーリアンの夢を壊した罪はあがなってもらうぞ」
最期の力を振り絞って銃を放ったのである。それが終わってから力尽きその場に眠った。やはりその血は青い、ムーリアンのものであった。
「司令っ」
如月は倒れ伏した功刀に近寄りその頭を抱いて声をかけた。
「どうして、こんなことを」
「あの男に言ったのと同じだ」
功刀は血を吐きながら如月に述べた。
「因果を終わらせる為に」
「ですがそれは」
「私がやるべき仕事だった」
如月がやろうとしていたと言いかけたところでの言葉だ。
「だからだ。私は」
「そうして命を捨てられるのですか」
「君はまだ若い」
如月に優しい言葉をかけた。
「まだ。人生というものを楽しんで欲しい」
「人生を」
「私の分までな。それだけだ」
これ以上は言おうとしなかった。
「それではな。ふふふ」
最期を迎えるところで不意に笑ってきた。
「おかしなものだ」
「おかしいとは」
「この青い血は」
ここで己の血を見るのだった。その青い血を。
「最初は誇りだった」

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