第百八話 青い血の謎
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のものも消え去ってしまっていた。
「よし、やったぞ!」
一色は珍しく感情を露わにさせた。
「誰も為しえなかったことを私はやったのだ!」
「そうですね」
「今より東京ジュピターに侵入する!」
一色はあらためて全軍に指示を出した。
「いいな」
「わかりました」
また八雲が彼に答えた。
「それでは」
「ドーレムも消えたことだしな」
「いえ、待って下さい」
しかしここでキムが言ってきた。
「それは違うようです」
「何だと!?」
「見て下さい」
モニターの画面が切り替わった。
「あれを」
「何っ!?あれは」
「あれは一体」
一色だけでなく八雲も思わず声をあげてしまった。
「ラーゼフォン!?」
「いや、翼の色が違う」
一色はその新たに出て来たその白い存在の翼を見ていた。
「翼が黒い」
「しかもあれは」
八雲もまたその白い存在をさらに見ていた。
「少女!?少女のラーゼフォン」
「時間がないようですね」
その時如月はある場所にいた。
「どうやら」
彼がいたのは教会の前だった。周りには墓地があり緑が絨毯になっている。彼はそこにいて一人で教会の中に入ろうとしていた。
「これで一つの因果が終わる」
彼は一人呟くのだった。
「だからこそ」
そうして教会の扉を開いた。そこには二人いた。
「如月君か」
「はい」
まずはエルンスト=フォン=バーレムが如月に声をかけた。
「私です」
「何故ここに?」
「一つの因果を終わらせる為に」
彼は言うのだった。
「だからこそここに参りました」
「一つの因果だというのか」
「その通りです。私はかつて」
彼は言葉を続けた。
「一色君とそこにいるヘレナと三人で過ごしていました」
「今更何を言う?」
「だからこそです」
彼はまた言った。
「こちらに」
何かが終わろうとしていた。
そしてある場所では。彼が一人ことの成り行きを見守っているのだった。
「順調ですね。全ては」
「御主人様、ロンド=ベルから離れたのは何故です?」
「その方が都合がいいからですよ」
シュウは静かに微笑んでチカに告げた。
「今はね。一人の方が」
「だからだっていうのですか?」
「その通りです。それでですね」
シュウはさらに言葉を続ける。
「今ムーリアンの因果が終わろうとしています」
「やれやれってところですね」
「しかしまた一つ別の因果が現われようとしています」
「また一つ!?」
「そうです。これで東京ジュピターの因果が終わりますが」
シュウは言う。
「それと裏表になっている別の因果が出て来ます」
「といいますと」
「あの街です」
シュウは言いながら楽しげに笑ってみせた。
「あの街のことが。遂にです」
「そうですか。あの街がですか」
「あの街
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