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スーパーロボット大戦パーフェクト 第三次篇
第百七話 綾人の選択
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らなかったがそれでも彼は頷いた。
「わかりました。それでは」
「因果が一つ終わる」
彼もまた因果という言葉を口にした。
「これでな」
「因果が終わる」
万丈は考える顔で呟いた。
「どうやら。この世界もまた無数の因果に絡め取られているようだけれど」
「それが何かあるというのですね」
「僕の予想ではね」
万丈はこうギャリソンに返した。
「そして」
「そして?」
「僕達の世界にもね」
「我々の世界にもですか」
「さて。どうなるかな」
万丈はまた呟いた。
「この因果も一つで終わるわけではないようだね」
「左様ですか」
「まあまずは一つ終わらせようか」
東京ジュピターの最初の攻防は終わった。だがそれでもまだ終わりではなかった。今ロンド=ベルは東京ジュピターをさらに取り囲みそのうえで攻撃に入ろうとしていた。
だがその東京ジュピターは。まだ戦意を衰えさせてはいなかった。
「九鬼は倒れたようね」
「はい」
神名麻弥の横にいる青年が頷いていた。彼等はあの宮中庭園にいる。青年はギリシアの神々を思わせる服に身を包んでいた。
「それなりに頼りになる部下だったけれど」
「あくまでそれなりですか」
「失いたくはなかったわ」
彼女の言葉は残念そうであった。
「やはりね」
「だが。器ではなかった」
彼はまた言った。
「しかし俺は違う」
「出撃するのね」
「宜しいですか?」
神名に顔を向けて問うのだった。
「それで」
「綾人と闘うつもりね」
「その通りです」
このことを隠しもしなかった。
「是非。御願いします」
「綾人・・・・・・」
神名は前に顔を向けた。そうして辛そうな顔になった。
「綾人はムーリアンの運命を拒むようね」
「間違いありません」
「馬鹿な子」
やはりその声は寂しいものだった。
「そんなことができる筈がないのに」
「青い血の運命は絶対です」
「ニライカナイ」
彼女は今度はこう呟いた。
「そして彼女もまた」
そのうえで後ろに顔を向けた。
「逃れることはできないのに」
「いえ、俺が出撃すれば」
ここで青年はまた言った。
「神名を倒します。それで終わりです」
「そう。倒すのね」
「なりませんか」
「ムーリアンの運命から逃れることはできはしないわ」
彼女はこのことをまた言った。
「そしてそれから逃れようとすれば」
「では。俺は」
「ええ。御願い」
顔は正面に戻し声だけをかけていた。
「出撃して」
「有り難き御言葉。それでは」
「そして貴女も」
神名はまた後ろに顔をやった。
「いいわね」
「音が聴こえる」
声が出された。
「声が。音に満ちている」
戦いは終わらない。東京ジュピターでの戦いはさらに続く。ムーリアンはまた戦力を出すのだった。


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