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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
EpilogueZ-B星々煌めく夜天にてお別れをしよう〜Wiedersehen, BELKA〜
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エル。黙ってはいるが同じ事を思っているシグナム達からはキツい睨みが。
「相手は、イリュリア戦争で君たちが苦戦していた騎士やミュール、ゼフォンを上回る戦力を有している」
その説明で「なればこそ共に戦うべきではないですか!」あのシグナムが怒鳴り声を上げた。私の背からヴィータが飛び降り、すぐさま私の前へと移動して来て「あたしらを甘く見んなよ!」と、起動した“アイゼン”を突き付けて来た。
「ダメだ。・・・信じてくれ。君たちを過小評価しているわけじゃないんだ。ただ、私の全てを犠牲にした上で相討ち覚悟で挑まなければ、彼らを全滅させる事が出来ないんだ。それはつまり君たちを巻き添えにするという事だ。私の手で、君たちを死なせろと言うのか?」
「それを過小評価だっつってんだ! そんな間抜けな事になると本気で思ってんのか!? あたしらだって伊達に何百年って戦場を渡り歩いてきたわけじゃねぇんだ! 自分の身ぐらい守れるんだよ! こんな楽しい日常を送れるなんて生まれて初めてだから! そりゃ必死になるさ! あたしらは闇の書が無事ならまた戻れる! だけど、あんたが死んだらそれまでなんだよッ! だからあんたを死なせたくねぇんだよッ! なんでそれが解らねぇんだ!」
大きく肩を息をするヴィータの目からは涙が次々と零れる。私が生きていれば、私と繋がっている“夜天の書”もまた生き続けることが出来る。そうだよな。そこをハッキリさせておかないとダメだよな。私は両膝立ちをし、「ちくしょう」と袖でゴシゴシと涙を拭い去っているヴィータを抱きしめる。
「・・・・エグリゴリを斃すことは、同時に私の人生を終わらせることになるんだ。だからすまない。この戦いの結果がどうであれ、私たちは永遠の別れになるんだよヴィータ」
「・・・は?・・・ちょっ、なに言ってんだよ、オーディン・・・」
「なんか今、信じられない・・・信じたくない事を言いましたよね・・・?」
「エグリゴリを斃すことが、オーディン・・あなたの願いだ。なのに、その結末が・・・」
「自分の死・・・?」
私から離れたヴィータ、それにシャマル、シグナム、シュリエル、そして黙ったままのザフィーラの顔から見て取れる。みんなの思考が完全に乱れている。自分自身を殺すことになる戦いをしている
私
(
オーディン
)
というものに。どの道勝っても負けてもこの日常が終わる事への絶望。憎んでくれていい、怨んでくれていい。
しかしこれで・・これで君たちは“エグリゴリ”に殺されなくて済む。君たちを連れて行けば、殺される可能性が高い。そんなもの見たくない。だから突き放す。結局、私は君たちには何も残せなかったのかもしれないな。最後の最後に、君たちに最悪な思い出を与えてしまった。
(フッ。やはり私は早々に人間に戻り、死ぬべきなんだ
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