暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
EpilogueZ-A星々煌めく夜天にてお別れをしよう〜Wiedersehen, BELKA〜
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ながら自室へ向かう。自室の机の引き出しの中には、書き溜めておいた服のデザインノート(紙束の端を紐で纏めたものだ)が在る。それを渡しておこう。再びターニャ邸を出て、向かうはターニャが営んでいる服飾店シュテルネンリヒト。客の入店を知らせる鈴付きの扉を開け、陳列棚に並べられている衣服の整理をしていたターニャに声をかける。

「繁盛しているか? ターニャ」

「お、ディレクトア。戦後直後に比べればね。それにしても早いねぇ、アムルと王都の往復で3時間も掛かってないって」

私の移動速度に改めて感嘆しているターニャ。それに対して「空戦機動には自信があるからな」と微笑む。ターニャは「さっすが英雄!」と笑い、そして商売人の顔となって「それで、どうしたんですか? 何かお求めかな?」そう訊いてきた。

「いや。そうではなく、コレを渡しに来たんだ」

ターニャへと歩み寄って手にしているデザインノートを渡すと、彼女は何も言わずにパラパラ捲り始める。ノートを眺めるターニャの目は次第に爛々と輝きだし、興奮しているのか徐々に頬を朱に染め始めた。しかも「ふふ。良い、良いですよ、ディレクトアぁ〜?」不敵に笑い始めた。ちょっと怖い。見終えたターニャは満面の笑みを浮かべ、「早速作らせてもらいます!」店の奥へ引っ込もうとした。

「おいっ、店はっ!?」

「今日は店仕舞い!」

「ええーー・・・・」

本当に店の奥に引っ込み戻ってこない上に「あははははははは!」笑い声が止まらないため、もう諦めて店を出る。ついでに扉に掛けられている開閉店を示す札を、開店中から閉店と書かれている側にしてからシュテルネンリヒトを後にする。
デザインノートの中には、アギトとアイリ、エリーゼにアンナ、モニカとルファにターニャの為だけの服も用意しておいた。今まで仲良くしてもらった、せめてもの礼だ。気に入ってもらえるといいんだけどな。

「あれ? オーディン先生? 今日はお休みじゃなかったんですか?」

「シャマル先生から、クラウス殿下にお会いに王都へ行くって聞いてましたけど・・・?」

「モニカ、ルファ」

エプロンドレスに白衣(ターニャ製の袖や裾にフリル付)を着た2人が、そう声を掛けてきた。私は2人に「つい先ほど帰って来たんだ」と返し、すぐに仕事を急に休んだことに対しての謝罪をした。モニカは「気にしないで良いですよぉ♪」普段通りふわふわな笑顔を見せ、ルファも「そうですよ。大切な用事だったんですよね」笑って許してくれた。こんな2人の笑顔を見るのも今日で最後、か。私は知らず2人の頭に手を乗せて、髪型が崩れないように撫でていた。

「ふえ?・・おお、気持ちいい♪」

「ど、どうしたんですかオーディンさん・・・!?」

モニカは気持ち良さに目を細め、ルファは目に驚き
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