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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
EpilogueZ-A星々煌めく夜天にてお別れをしよう〜Wiedersehen, BELKA〜
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そういうことか。闇の書の主であるオーディンさんが亡くなれば、主と運命を共にする闇の書、その一部である騎士シグナム達もまた・・・」
「だからこそクラウスに頼みたい。アギトとアイリの今後について。2人はエリーゼ達に託すつもりだ。そして今後、シュトゥラを巻き込む戦争が起きた場合、出来れば2人を戦場に召喚しないでほしい」
可能な限りアギトとアイリが死なないようにしたいがための願いだ。クラウスは何も迷うことなく「判りました」と即答、約束をしてくれた。あとは、あの2人が自ら戦場に立つという意思を持った場合だが、そこはエリーゼ達が止めてくれるだろう。
「ありがとう。・・・じゃあ・・・クラウス、オリヴィエ王女殿下、リサ。今までお世話になりました。どうかお元気で・・・」
握手を求めるために右手を差し出した。だが3人は押し黙ったまま私の顔と右手を交互に見るだけだ。そして「・・・ヤ・・です・・」リサの口からポロッと漏れた。オリヴィエが「リサ・・・?」と小首を傾げる。
「そんなの嫌です。私、その手を取りたくありません・・・!」
キッと上目遣いで睨んできたリサ。すると「僕も取れません」クラウスにまで拒絶されてしまった。オリヴィエはそんな2人の考えが解っているようで「申し訳ありません」と同じように握手を拒絶した。差し出していた右手を戻したところで、クラウスが口を開いた。
「あなたの握手に応じれば、あなたとの永遠の別れを受け入れることになる。オーディンさん。だから僕は――僕たちは、あなたの握手には応じられないのです」
そんな考えは私になかった。口を噤んでいると、オリヴィエが私の目をジッと見て「必ず再会しましょう。その時にまたもう一度握手を」と微笑んだ。
「オリヴィエの言う通りです。必ず生きて帰って来てください。たとえどれだけ傷を負っても必ず治します。そして再会した時、改めて握手を。僕たちはずっと待っています。何日でも、何ヵ月でも、何年でも・・・ずっと」
「私も、オリヴィエ様やクラウス殿下と同じ思いです。このままお別れなんて嫌ですよ、オーディンさん・・・!」
目の端に涙を浮かべ、縋るような目を向けてきたリサの頭を撫でる。ここまで慕ってくれていることが嬉しくて。ここで私が言うべきことは何だ? 考えに考え、悩みに悩んで出した答え。私は最初に「ありがとう」と改めて礼を言い、
「判った。また逢おう。再会の証として、その時にまた握手を。クラウス、オリヴィエ王女殿下、リサ。それでいいだろうか・・・?」
「「「はいっ」」」
ようやく笑顔になってくれた3人に、今も心の内に広がっている自分への嫌悪感をひたすら覆い隠して笑みを向ける。3人への別れの挨拶はこれで終わりだ。絶対に叶うことのない再会の約束を交わし、
「では私は
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